1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570778
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
石川 睦男 旭川医大, 医学部, 講師 (20002131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠茂 光範 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90177361)
田中 邦雄 旭川医科大学, 実験実習機器センター, 助教授 (20041840)
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Keywords | 受精卵 / 呼吸代謝 / 機磁気共鳴法 / 凍結融解法 |
Research Abstract |
〔目的〕:哺乳類の受精卵の呼吸代謝を無侵襲で計測する目的で核磁気共鳴法(NMR)を用いて、受精周辺期の卵の呼吸代謝の基礎的検討を行った。 〔方法):雌ウサギ(Japanese White)を過排卵交配し、交配後6日目の着床直前の直径0.1-0,3mmのblastocystを使用した。一羽から平均20〜40個採取したblastoCystの中、10〜21個を内径5mm高さ20mmのNMR用特徴ガラス管へ入れ、銅コイル内に固定後【^(31)P】-NMRにてPのスペクトル測定を行った。装置は、FT-270HT FT NMRを用い、室温にて109.25MHzで0.398秒に1回積算にて行った。15分(1790回)、30分(3115回)、1〜10時間まで各1時間隔で行い、16時間(115,200回)で終了た。さらに、NMRに使用しないblastocystの培養らびに凍結保存による生存性の検討も行った。 〔成績〕:1.無機リンは30分後(3115回)から増加傾向を示し、2時間後(14,418回)かスペクトルは明瞭となり、16時間後(11,520回)には無機リンのみとなった。2.培養したblastocystは、4時間後はほとんど全部生存していたが、16時間後にすべて死滅していることが、この条件下で生生染色により判明した。3.30%glycerol+0.25M sucroseを用いて、5分間平衡後、-170℃で5分間保存し、-196℃の液体窒素中に入れ保存する急速凍結法を行った。凍結組の0.5M sucroseによる一段階希釈による融解後の生存性は認められなかった。 〔考察〕:1.受精現象による細胞内PHの変化はウニ卵で試みられているが、未だ結論が出ていない。一方、哺乳類動物卵の細胞内呼吸代謝は全く試られていかった。本研究で、4時間まで生存しているblastocystで哺乳類動物卵としては初めて、無機リンのスペクトルを検出することができた。2.ATPのスペクトルと区別が不明瞭の点から、測定法の改良が必要である。3.0.1〜0.3mm径の大きなblastocystの凍結は急速凍結法は不適当な可能性があり、他の凍結融解法の選択が必要であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)