1987 Fiscal Year Annual Research Report
乳腺上皮のホルモン依存性増進・分化・退縮における結合織成分の役割
Project/Area Number |
61570794
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺川 直樹 大阪大学, 医学部, 助手 (90163906)
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Keywords | 乳腺 / カゼイン / α-ラクトアルブミン / 器官培養 / ブロゲステロン |
Research Abstract |
マウス乳腺の器官培養系において, インスリン, コーチゾル, プロラクチンの三者のホルモンの相乗作用によって乳腺上皮の分化が誘導され, カゼイン, α-ラクトアルブミンなどの乳汁に特異的な蛋白の合成が開始されることが知られている. 従ってこれらの蛋白を定量することは乳腺上皮の分化能を定量化することになる. 本年度は乳腺細胞分化能を検討するためにカゼイン及びα-ラクトアルブミンの測定法を確立した. 1.カゼイン測定 マウス乳を集め塩析, ゲルろ過によりカゼインを純化し, これを家兎に免疫して抗力カゼイン血清を得た. 抗血清の特異性については免疫拡散及びSDS-PAGEにて分析した. 抗血清は免疫拡散法で十分な抗体価を持つことが確認された. また培養後のtissue homogenateと抗血清との複合物をSDS-PAGEにて分析したところ, MW31〜44Kに放射活性を認め, 得られた抗血清がカゼイン特異的であることが確認された. 培養後乳腺組織を2%Tritan Xを含むPBS中でhomogenateし, 超遠心後上清中のカゼインを家兎抗血清を用いた二重抗体法で測定した. 2.α-ラクトアルブミンの定量 培養後乳腺組織をTris buffer中でhomogenateし遠心後の上清を用いた. マウスのα-ラクトアルブミンを用いて標準曲線を作製しラクトース合成能を測定することにより, α-ラクトアルブミンを定量した. 3.プロゲステロン(Prog)のミルク蛋白合成に及ぼす影響 5×10^<-12>Mから5×10^<-7>MのPragを培養液中に添加したところ, カゼインは5×10^<-8>Mで, α-ラクトアルブミンは5×10^<-8>Mで, α-ラクトアルブミンは5×10^<-10>Mで最大の抑制に達した. また過剰のコチゾルを加えることによりProgの抑制効果が減殺されミル蛋白合成能はもとに復した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 三宅哲夫: 日本内分泌学会雑誌. 63. 490- (1987)
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[Publications] 福井英人: 日本内分泌学会雑誌. 63. 490- (1987)
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[Publications] 脇本博: 日本内分泌学会雑誌. 63. 524- (1987)