1986 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胎盤蛋白ホルモンならびに癌遺伝子の制御機構からみた絨毛の分化と癌化
Project/Area Number |
61570795
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
保科 真 神戸大, 医学部, 助手 (30116248)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 猛 神戸大学, 医学部, 講師 (60135811)
望月 眞人 神戸大学, 医学部, 教授 (80030922)
|
Keywords | 胎盤蛋白ホルモン / 遺伝子発現 / シトシン塩基のメチル化 / 癌遺伝子 / 相補性DNA / 単クローン抗体 |
Research Abstract |
61年度は各種絨毛組織よりDNAならびにRNAを抽出した。まずDNAについてはシトシン塩基のメチル化と胎盤蛋白ホルモンの遺伝子発現との関連を、以下のごとく検討した。即ち制限酵素Hpa【II】とMsp【I】を用いてDNAを消化し、次にhCGα、β、hPLの相補性DNAとmolecular hybridizationを行い、各々の遺伝子近傍における、シトシン塩基のメチル化の程度を観察した。この結果hCGαとβについては遺伝子発現とメチル化が逆相関しており、一般に知られている遺伝子発現とメチル化が逆相関すると云う知見と一致した。一方、hPLについては、遺伝子発現とメチル化が相関しており、一般的観察結果と逆の関係であったことから、hPL遺伝子発現についてはメチル化以外の他の遺伝子制御のメカニズムが働いていると考えられた。また、胞状奇胎DNAにはhPL遺伝子のRestniction Fragment Polymorphismが観察され、これが胞状奇胎における低hPLの一つの原因ではないかと考えられた。 RNAについては各種組織より抽出したRNAが集積されつつあり、既に、positive controlとしてhCGαmRNAをNorthern blotとFilter Hybridizationで検出した。次に各種癌遺伝子の発現態度を検討する予定である。 またhCGの癌性糖鎖変異については、HPLCを用いて正常hCGを分析する方法を確立している。 さらにhCGα、β、hPLのmonoclonal抗体を用いた免疫組織学的検討を絨毛性疾患について行い、特にhCGαとhPLの染色態度によって、本疾患の予後が異なることも明らかにされた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 房正規,保科眞,望月眞人: 日本産婦人科学会誌. (1987)
-
[Publications] I.BOIME;M.HOSHINA;M.MOCHIZUKI;S.D.McQUEEN: ICMR ANNALS. 7. (1987)
-
[Publications] F.T.SANTIAGO;M.HOSHINA;A.NISHIO;M.MOCHIZUKI: ICMR ANNALS. 7. (1987)
-
[Publications] F.T.SANTIAGO;M.HOSHINA;I.BENTTEZ;M.MOCHIZUKI: ICMR ANNALS. 7. (1987)
-
[Publications] 保科眞: "胎盤-基礎と臨床-" 南江堂, (1987)