1986 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌Pair細胞樹立による腫瘍抗原の同定とその臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
61570797
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
樋口 正臣 香川医大, 医学部, 講師 (70089837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半藤 保 香川医科大学, 医学部, 教授 (40092720)
田中 耕平 香川医科大学, 医学部, 助手 (10171753)
児玉 省二 香川医科大学, 医学部付属病院, 講師 (30153563)
竹内 裕 香川医科大学, 医学部, 助手 (50171624)
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Keywords | 腫瘍特異抗原 / Allo系 / Pair細胞 / OFA-I / IA反応 |
Research Abstract |
漿液性卵巣癌患者の原発巣及び化学療法後に採取した腫瘍組織からl-kubo,kubo2細胞系を確立した。また同一のdonorから得たリンパ球をB95-8 Marmo-setリンパ球上清のEBウイルスにより株化した。株化後リンパ球のHLA型は株化前のHLA型と同一であった。この腫瘍細胞及び同一donarよりリンパ球株のPair細胞を用い、免疫粘着反応(Immune Adherence法,以下IA法)により、腫瘍抗原の同定を行った。Target細胞としては上記の卵巣癌細胞を用い被検血清を株化リンパ球(Target細胞と同じAllo抗原を有する)でHLA(Allo)抗体を吸収、胎仔血清を用いた培養液よりTarget細胞膜に取りこまれるHete-rologous Membrane Antigenに対する自然抗体を羊又は半赤血球で吸収、更に人胎児脳でOncofetal Antigen-I(以下OFA-I)抗体を除去した。その後その被検血清をTarget細胞に対するIA反応性の有無より腫瘍抗原の検討を行った。このような連続抗体吸収法による、12例の卵巣癌患者の173血清を検討した所、l-kubo株に2人の患者血清が反応した。またkubo株には4人の患者血清が反応した。このうち1例はl-kubo株と反応した患者と同一人であった。また3例は、まだ胎児脳で吸収していないので、抗OFA-I抗体の可能性もあり、現在検討中である。この反応した患者はTarget細胞と同じ漿液性腺癌であり、この抗体に対する抗原物質の同定を現在行っている。また、類内膜癌1例及び未分化胚細胞腫1例の細胞株とそのリンパ球のPair細胞が確立されたので、この系を使って更に卵巣癌特異抗原の検索を現在行っている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 樋口正臣: 臨床婦人科産科. 40(7). 520-523 (1986)
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[Publications] 樋口正臣,竹内裕,児玉省二,半藤保: 日本産科婦人科学会中国四国合同地方部会雑誌. 34(2). 112-116 (1986)
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[Publications] 樋口正臣,竹内裕,半藤保: 日本産科婦人科学会中国四国合同地方部会雑誌. 34(2). 131-134 (1986)
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[Publications] 樋口正臣,竹内裕,竹内正七: 産科と婦人科. 53(11). 1651-1657 (1986)
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[Publications] 樋口正臣,竹内裕,竹内正七: 日本産科婦人科学会雑誌. 38(11). 1964-1968 (1986)