Research Abstract |
胎児低酸素状態で増加するNorepinephrine(NE), Arginine Vasopvessia(AJp)の胎児循環動態に及ぼす影響ならびに, 予後不良な心拍パターンであるSinusoidal Heart Rate(SHR)の発生機序について検討中である. すなわち慢性羊実験モデルにおいて, 羊胎仔にVEを3μg/B/分, AVPを4.9mIU/B/分の速度で約30分持続注入すると血圧はNE注入後5分で135%まで増加. その後漸減し約15〜20分後には125%増で安定, AVPでは注入中増加し続け110%まで増加する. 一方, 心拍数はNE注入後5分で85%まで低下するがその後漸増し, 15分後以降はむしろ頻脈となる. 一方, AVP注入と同時に心拍数は漸減し約80%まで低下する. また, 同時に記録したPEP値はNE注入時初期には延長, その後〓縮し, AVP注入時は延長を認めた. すなわち, NEは心拍数, PEPに対してB:phasicな変化をとるが, これは迷走神経切断によって消失する一方, AVPは心拍数, 血圧, PEPのいずれも持続的に同一方向に変化し, 両側迷走神経切断によっても依然この作用は残存し, SHRの出現をみる. そこで, 今回家兎を使い, 同様にNE, AVP注入時の迷走神経遠心性神経の活動電位の変化, 脳血流量, 心拍出量等に及ぼす影響について観察するとともにSHR発生機序についても検討してみた. 成熟家兎にNEを2μg/kg分, AVP3/matu/kg/分を20分間持続注入し血圧, NE注入により血圧の上昇(15.7%), 心拍数の低下(2%), AVP注入により血圧の増加(25%), 心拍の低下(7%)を認めた. また, 同時に記録された迷走神経活動電位はNEで増強されるが, AVPでは有意の変化を認めなかった. さらに, AVP6mIU/kg/分持続注入と両側迷走神経切断によって羊胎仔と同様にSHAの発生を確認した. 今後, この実験モデルを使用し, SHR発生機序について検討を加えてみたい.
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