1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570811
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
三宅 良明 日本大学, 医学部, 講師 (20183634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤嶺 和成 日本大学, 医学部, 助手
正岡 直樹 日本大学, 医学部, 助手
山本 樹生 日本大学, 医学部, 助手 (40167721)
坂田 寿衛 日本大学, 医学部, 講師 (00059817)
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Keywords | 胎児低酸素血症 / NE / AVP / 迷走神経 / V.broaconstic Stimulation Test(VAS) |
Research Abstract |
A)動物実験: 胎児低酸素血症で増加するNorepinephrine(NE)、Arginine Vaso pressin(AVP)のBaroreceptor Control、呼吸循環調節作用の相異さらには脳代謝への影響をみるため、成熟家兎にNE(6ug/分/Body)、AVP(40mIu/分/Body)を20分間持続注入し、その際の迷走神経活動電位、さらに迷走神経切断前後の心拍数(TR)、血圧(BP)、気管内圧(TrP)および脳血流量(CBF)、脳組織内O_2分圧(PtO_2)の変化を測定しHLFの成績を得た。すなわち、心拍数はNEではbaroreceptorを介する調圧反射にて低下するのに対し、AVPでは迷走神経を介さない系路による心拍数低下機序がある。また迷走神経切断後にAVP持続注入した群では、胎児仮死時にみられるSinusoidal Heart Rate(SHR)が41.6%に出現したが、NE投与群では認められなかった。NE、AVP両者共に界在作用があるが、迷走神経切断によりその作用は増大した。 AVPでは呼吸運動の著名な抑制、CBFの低下とPtO_2の増加を認めた。以上の実験前後の動脈血ガス所見の変化をみるとNEは有意な変化を示ていないがAVPでは代謝性アシドーシス(乳酸の増加)とPaO_2のヒ界、PaCO_2の低下傾向を認めた。 B)ヒト胎児:胎児健康状態の判定法には従来よりNST、CSTがあるが、教室では、胎児頭に音振動刺激(74Hz、75db)を3秒間加え、その心拍反応をみるVAS Testを実施しtypeI〜Vに分類し予後判定に応用している。すなわち、typeI〜IIは正常胎児、TypeIIIは臍常巻絡例が多く認められるがいずれも予後良好であるのに対し、typeIV、Vは胎児仮死(py≦7.20)となる例が増加した。また、VAS Test施行後、約40〜50%の頻度で病的な吸気反射と考えられるHiccupsが出現しており、その臨床的意義付けについても現在検討中である。
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