1988 Fiscal Year Annual Research Report
耳性めまいに対する反復内耳刺激治療効果の基礎的研究
Project/Area Number |
61570829
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
徳増 厚二 北里大学, 医学部, 教授 (70050375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 明人 北里大学, 医学部, 講師 (00156895)
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Keywords | 平衡訓練 / 一側性jumbling現象 / 治療効果評価法 / めまいの尺度化 |
Research Abstract |
平衡機能訓練の実施と評価:内耳耳石器・半規管への反復刺激に、視覚、深部知覚刺激を加え、未梢性前庭障害を主とする急性めまい:平衡障害患者に、めまいならびに眼球運動・身体運動異常の回復を目的として訓練を実施した。方法(1)では運動視標追跡、頭部回転・伸屈屈曲、体位変換、直立、歩行を30分/回、3回/日、連日、自主的に実施させた。前庭神経炎急性期の症例を対象とし、一点注視で急耳側向き頭部急速回転で出現する動描視(一側性jumbling現象)が消失するまでの日数を測定した。発症時より一側性jumbling現象消失までの平均日数は入院平衡訓練の4例では33日であり、訓練を実施しなかった入院3例の84日、外来通院の8例の72日より短縮した。尚これらの各群の年齢はほぼ同じであった。方法(2)では体位変換、開眼・閉眼単脚直立、バランスボード直立、自転車こぎ、歩行、階段昇降を30分/回、1回/日、連日、理学療法士の指導で行った。対象は未梢性前庭障18例、中枢障害その他7例の計25例、男13、女12例、平均年齢49歳でめまい発作期に引き続き運動訓練を実施した。2日目でめまい発作再発のため中止した1例をのぞき、すべてに訓練が実施出来た。めまい・自律神経症状を尺度化し、眼振・足踏み検査所見とで評価し、入院期間は平均21日、訓練日数は平均10日で、一例は時期をかえて実施し延べ26名のうち、自覚症状の改善は19例73%、他覚症状の改善は3例に認められた。 文献的考察とまとめ:Cawthorne,Coohsey(1946)らの平衡機能リハビリテーションの臨床研究、ならびに内耳破壊後の平衡障害回復の動物実験、など内外の文献を参考にして、本研究の成果から平衡訓練の方法、適応、評価法をまとめた。 報告書は別に作成し提出する。この研究の一部は第47回日本平衡神経科学会で報告した。
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[Publications] 徳増厚二,米田敏,八木記,藤野明人,五島一吉: Equilibrium Res.47. 187-195 (1988)
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[Publications] 徳増厚二: JOHNS. 4. 819-825 (1988)
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[Publications] 徳増厚二: 臨床と薬物療法. 7(3). 271-275 (1988)
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[Publications] 徳増厚二: 月刊ナーシング. 8(6). 588-590 (1988)
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[Publications] 徳増厚二,大久保仁,加藤功,高橋正紘,竹森節子,水野正浩,八木聡明,吉本裕: Equrilibrium Res. 47. 221-244 (1988)
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[Publications] 徳増厚二: 耳鼻咽喉科・頭頸部外科. 61. (1989)
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[Publications] 徳増厚二: "耳鼻咽喉科・頭頸部外科MOOK No.10聴神経腫瘍・自発眼会・頭振眼捻" 金原出版, 61-68 (1988)
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[Publications] 徳増厚二: "看護のための臨床医学大系No.11.耳鼻咽喉・頭頸部" 情報開発研究所, 1-363 (1988)