1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570843
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下村 嘉一 阪大, 医学部, 助手 (20162737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 保範 大阪大学, 医学部, 助手 (10183691)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / 再活性化 / イオントフォレーゼ / エピネフリン / 6-hydroxydopamine / glycoprotein D / 三叉神経節 / 角膜 |
Research Abstract |
(1)HSV-1再活性化の機序解明におけるIN VITRO及びIN VIVO EXPERIMENT 単層培養のVero Cellに、HSV-1(FUKUDA株)を接種し、接種前後におけるエピネフリン添加の上清中HSV-1 titerに対する影響を検討した。その結果エピネフリン添加群と非添加群で差を認めなかった。次に、Balb/cマウスの角膜にHSV-1を点眼接種し、21日後に三叉神経節を採取。エピネフリン添加によるin vitro reactivationを施行して、HSV-1のCPE出現率とプラーク数を測定した。このIN VIVOの系では、エピネフリン添加群と非添加群で差を認めた。 (2)chemical sympathectomy(6-hydroxydopamineのiontophoresisをマウス角膜上にて施行)後、エピネフリンを点眼して、涙液、眼球及び神経節内再活性化HSV-1を検索した。Balb/cマウスで50%、C57BL/6にて15%、C3H/Heにて30%の再活性化を認めた。しかし涙液、眼球、三叉神経節のすべてにおいて再活性化HSV-1を認めたものは1例もなかった。さらにHSV-1によると考えられる樹枝状潰瘍も認められなかった。マウスは家兎に位べHSV-1並びに6-HDに対して弱く、現在の時点では実験的に確実な系とは言えない。今後、indicator cellの変更、他の方法(免疫抑制剤など)との併用の必要性が示唆された。 (3)上記マウス角膜ヘルペス再発モデルが確立しなかった為、急性期モデルにおけるHSV-1 glycoprotein Dによる角膜炎の予防効果について検討した。glycoprotein D免疫群では、コントロール群に比べて、上皮性病変は軽度抑制されたのみであったが、実質性病変はほとんど発生せず、各組織(角膜、眼球、三叉神経節、中脳)のウイルスカ価も著しく低下していた。また、glycoprotein Dを投与したマウスでは血清中の中和抗体価及びCDAC能が上昇していた。
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