1986 Fiscal Year Annual Research Report
三次元画像解析システムによる双生児の口蓋形態の遺伝学的調査
Project/Area Number |
61570855
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐伯 政友 東北大, 歯学部, 教授 (70005015)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山谷 千津子 東北大学, 歯学部, 助手 (30191464)
菊地 正嘉 東北大学, 歯学部, 助教授 (70005065)
|
Keywords | 双生児の口蓋 / 口蓋形態の遺伝 / 三次元画像解析システムの口蓋形態の研究 / 双生児法による口蓋の遺伝学的研究 |
Research Abstract |
双正児の同胞間の差異を組内差として表現すると、遺伝的に同質である一卵性双生児の組内差は遺伝以外の要因すなわち環境因子によるものとされ、遺伝的に同質ではない二卵性双生児の組内差は遺伝因子と環境因子に基づくとみなされる。一卵性および二卵性双生児の組内差に影響を及ぼす環境因子は同等のものであるとすれば、二卵性双生児と一卵性双生児との組内差の平均値の差は二卵性双生児の異質な遺伝因子の表現を意味することになる。しかし双生児においては測度の組内差の絶対値は必ずしも正規分布をするものではないので、正規分布に準拠した二種の双生児間の組内差の平均値の比較は避けられるべきである。双生児の組内差のちらばり方、すなわち組内差分散(intrapair variance【Σd^2】/N d:組内差、N:組数)を一卵性と二卵性双生児とで算出し、それを比較することが双生児法における今後の数学的処置のあり方のようにおもわれる。双生児口蓋の三次元穹窿形態の遺伝的解析もまた可能な限りこの観点から為されるべきであらう。 この方法に準拠して、幅径および長径から口蓋の形状を遺伝学的に分祈してみると、つぎのような結論をうることになるが、口蓋の外形は歯列弓の舌側縁によって形づくられ、両者は形能的にけっして無縁のものではないことをしめしている。前歯部における遺伝的な不安定さはとくに長径にあって、前歯の配列と口蓋の形状とに関連性が存在するものとすると、前歯各歯の位置や植立の方向性などが前歯部の口蓋の近遠心的な成長に微妙な影響をあたえていることになる。臼歯部は前歯部よりも幅径においても長径においても遺伝的に安定度を保っている。なお口蓋は仮に各部において形態的に不安定なものがあっても、口蓋は全体として遺伝的な枠組みによって大きく支配されているとみるべきであらう。
|
Research Products
(2 results)