1988 Fiscal Year Annual Research Report
三次元画像解析システムによる双生児の口蓋形態の遺伝学的研究
Project/Area Number |
61570855
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐伯 政友 東北大学, 歯学部, 教授 (70005015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 正嘉 東北大学, 歯学部, 助教授 (70005065)
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Keywords | 双生児の口蓋 / 口蓋形態の遺伝 / 三次元画像解析システムの口蓋形態の研究 / 双生児方による口蓋の遺伝の研究 |
Research Abstract |
口蓋穹窿の双生児の口蓋穹窿の遺伝学的な本年度の調査はつぎのような方法によって行った。 双生児の上顎歯列口蓋模型をモアレ写真撮影方法で撮影し、その口蓋模型上に描かれた等高線縞模様を双生児で比較する方法と、その画像を模型上に描かれた等高線縞模様を双生児で比較する方法と、その画像をデジタイザーマイタブレットIIによって三次元画像解析システムに導入し、正中矢状断面像、小臼歯部の前頭断面像(第一小臼歯)、大臼歯部の前頭断面像(第一大臼歯)をそれぞれ曲線の形に抽出して双生児で比較する方法である。 口蓋模型の等高線縞模様は等高線の数、走行状態などよりみれと、口蓋の前歯部の傾斜は一卵性双生児でも類似度が常に高いものでもない。臼歯部での舌側転移等の影響が一卵性双生児の組内差として、口蓋穹窿の浅い処では歯槽突起の箇所も含めてみられるが、口蓋穹窿の深い中央部では、一般に一卵性双生児に著しい組内差が見られない。臼歯部にのみ限定してみても口蓋の歯槽突起の部位は口蓋穹窿の中央部に比して遺伝的に劣るように思われる。 正中矢状断面像、小臼歯部の前頭断面像(第一小臼歯)、大臼歯部の前頭断面像(第一大臼歯)の曲線よりすると、口蓋の前歯部に多少の組内差が一卵性双生児にみられようとも、正中矢状断面像の類似性は一卵性双生児の方が二卵性双生児よりも顕著であり、口蓋穹窿は全体として近遠心的にも遺伝因子の支配を受けているものと推測される。小臼歯部および大臼歯部の前頭断面像の一卵性双生児の組内差は二卵性双生児のそれに比して遙かに小さく、臼歯部の口蓋穹窿の形状は遺伝的な安定度が高い。口蓋はその周辺部が比較的環境の影響を被り易い処ではあるが、の深い中央部は環境の影響が及び難い箇所と推測される。
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Research Products
(1 results)