1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570874
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉村 文信 北海道大学, 歯学部, 助手 (50001962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田坂 佳伸 北大, 歯学部, 教務職員 (30184005)
鈴木 由美子 北大, 歯学部, 助手 (50154597)
谷 宏 北大, 歯学部, 教授 (60013926)
鈴木 武 北大, 歯学部, 教授 (40001747)
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Keywords | 歯周病原因子 / 病原因子の機能 / B.gingivalis / 線毛のクローニング |
Research Abstract |
1.歯周病原因子の一つとして、Bacteroides gingivalisの付着因子に焦点をあてた研究がおこなわれた。すなわち線毛の性質、特にその機能をさぐるいくつかの試みがなされた。その結果、次のような点が明らかとなった。(1)線毛は強い抗原性を持っており、実験動物の静脈中に、線毛又は、線毛保有菌体を少量投与すると、すみやかに線毛抗体が出現する。(2)線毛に対する一連のモノクローナル抗体を作製している。得られた抗体は線毛保有菌が頬粘膜細胞へ付着することを阻止した。この実顕は、パパイン処理して得られるモノクローナル抗体のFab断片を使用しても同様な結果が得られた。(東日本大・歯学部、磯貝らとの共同研究).(3)この結果をさらに確認し、新しい発展のため実験系を純化することを進めた。すなわち、精製線毛をゲル内に固定化したカラムを作製した。このカラムを使った付着実験系の確立を進めている。 2.前述したB,gingivalis線毛の遺伝子をクローニングする試みがおこなわれた。(1)菌体からDNAを抽出、精製し、プラスミッド及びファージベクターに組み込み遺伝子バンクを作る作業がおこなわれた。pBR322プラスミッドをまず使用し、Sau3A制限酵素で部分的に消化したDNA標品を分画し、平均5KbpDNA断片を入れたリコンビナントを作製した。(2)さらにファージベクターとして、EMBL4を使用し、9-13KbpのDNA断片を組みこみ、バンクを作製した。(3)プラスミッドバンクは線毛抗体をプローブとしてスクリーニングした。残念ながら強い陽性反応を示すクローンを得られていない。(4)ファージバンクに関しては、その内容、有用性を確証する作業をおこなった。(5)他の病原因子のクローニングの予備的検討をおこなった。
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Research Products
(1 results)