1986 Fiscal Year Annual Research Report
歯科用インプラント材料の発癌性を中心にした安全性評価
Project/Area Number |
61570927
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 和子 医科歯科大, 歯学部, 助手 (50046083)
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Research Abstract |
歯科用インプラント材料の発癌性を検索するため、本年度はAmes試験により変異原性について検討した。インプラント材料は難溶性固体であるため検体投与が困難であり、妥当な投与法を検索するため検体の形状に重点をおき試験を行った。試験材料は形状記憶Ti-Ni合金F518及びF18の2種(古川電工製)及び純チタン(和光純薬)を用いた。形状記憶合金については1)直径0.5mm,長さ5mmの円柱状,2)フリーザーミル(本補助金で購入)を用いて約0.1mmに粉砕した粒子、また純チタンは1)325メッシュの微粒子,2)微粉末200mg/ml蒸溜水121℃,20分浸漬液を試料とした。Ames試験はSalmonallatyPhimurium TA100,TA102及び金属に感度がよいとされているE,coli WP2uvrAを用いた。形状記憶合金の円柱状試料は寒天上に直接投与し、また微粒子状試料は100mg/0.2mlDMSOの懸濁液を作成し寒天上に20μlを直径約7mmの塊としてのせた。純チタン微粒子はDMSO中に懸濁液として20〜0.032mg/plateの範囲で5倍希釈、5段階濃度で常法のプレインキュベーション法によりS-9mix添加、不添加で試験を行った。陰性対照としてDMSOを、陽性対照としてS.t.TA100にはSodium azido1.5μg/plate,TA102にはMitomycin C0.5μg/plate,E,coliWP2uvr【A^-】にはAF-20.01μg/plateを用いた。形状記憶合金F518及びF18の円柱状試料はS.t.TA100,E,coliWP2uvr【A^-】の菌株で、試料周辺に突然変異コロニーの増加はなく、また試料に隣接する菌の生存にも影響を与えなかった。微粒子状試料についてもS.t.TA102,E,coliWP2uvr【A^-】の菌株で突然変異コロニーの増加はなかった。純チタン微粒子は0.032〜20mg/plateでS.t.TA102,E,coliWP2uvr【A^-】の2菌株において突然変異コロニーの有意の増加はみられず、菌の生存も良好であった。純チタン浸漬液もAmes試験陰性であった。セラミックス材料や不定期DNA合成試験については試験中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kazuko OZAWA(SATO): Toxicology letters. 31. 214 (1986)
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[Publications] 佐藤和子: 口病誌. 54. 314 (1987)
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[Publications] 佐藤和子,佐藤温重,桜井靖久 編: "医・歯科用バイオマテリアルの安全性評価法 分担-歯科材料-変異原性Iエームス" サイエンス フォーラム, 5 (1987)