1986 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素系樹脂を用いた補綴材の開発およびその臨床的効果
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61570937
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
市丸 俊夫 岩手医大, 歯学部, 講師 (20048458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 良俊 岩手医科大学, 歯学部・歯科補綴学講座, 助手 (40156956)
安藤 良彦 岩手医科大学, 歯学部・歯科保存学講座, 助手 (00146086)
久保田 稔 岩手医科大学, 歯学部・歯科保存学講座, 教授 (10005100)
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Keywords | PCTFE複合レジン / ポリイミドプライマー / 機械的性質 / 補綴材 / 修復材 / 接触角 / 歯垢付着 / 細胞毒性 |
Research Abstract |
1.ポリ三フッ化塩化エチレン(PCTFE)微粉末10ccに太さおよび長さが12.80μmのガラス繊維0.5gを混入したペースト状の複合レジンおよびポリイミド樹脂よりなるプライマーを試作した。(1)プライマーを介して当複合レジンを歯科用Co-Cr合金に焼付けると(250℃、2hr焼成)両者の接着力は最高値で150kg/【cm^2】であり、実用的強さを有していた。(2)当複合レジンを250℃、2hr焼成した試料は引張り強さ、伸び率、弾性率、ロープ硬さはそれぞれ322kg/【cm^2】、43%、87×【10^2】kg/【cm^2】、7.6であり、前装冠またはポンテック基底面下に焼付けて使用し得る機械的強度を有していた。(3)ポーセレン、床用PMMA、Co-Cr合金、当材、PCTFE、フルオロカーボン(FC208)などのIn vitroにおける菌付着量(S.mutans)および脱離抵抗性(超音波法)は30日間以内の観測で、試料の表面粗さ値と、またそれら材料の水に対する接触角の大きさとに依存していた。菌付着量および脱離抵抗性はポーセレンが最も少なく、ついでPMMA、Co-Cr合金、本材の順に大きくなり、他のフッ素系樹脂ではさらに大となる傾向にあった。」2.マウス頭蓋骨由来の細胞増殖法による毒性試験で、5日間の細胞増殖率はポーセレン94%、当材57%、PCTFE36%、PMMA21%の順に低下し、当材の口腔内使用上の毒性に関する問題点は発見されなかった。」3.橋義歯適応者5例のそれぞれについて、粘膜非圧接触型の惰円型ポンテック基底面材質として、鏡面研磨12%Pd合金、艶焼ポーセレンおよび当材の3種を使用し、1週間後におけるこれら基底面の歯垢付着率を比較した結果、平均値でそれぞれ45、22、16%であり、当材はポーセレンと同等もしくはそれ以下であった。当材を補綴物に使用するにあたって、技工上の作業はきわめて容易であり、従来の技術範囲で十分に行えるものであった。
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Research Products
(1 results)