1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570957
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山城 正宏 琉大, 医学部, 教授 (90045237)
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Keywords | 沖縄地方 / 口腔癌 / 臨床病理学的研究 |
Research Abstract |
沖縄地方における頭頚部悪性腫瘍患者の殆んどが、琉球大学医学部附属病院(前身、同保健学科附属病院)の歯科口腔外科と耳鼻咽喉科を受診している。1973年9月より1981年8月までの8年間で、UICC分類による口腔癌一次症例は、当科108例,耳鼻咽喉科72例,両者で180例であった。このことは、沖縄においては、少なくとも年平均22.5人の口腔癌患者が発生していることになる。その後の2年間を加えた1983年8月までの、当科における10年間の口腔癌患者についてみると、全症例166例、一次症例140例であった。つまり年平均16.6例(一次症例14例)が当科を受診していた。一次症例の内訳をみると、最も多いのが舌癌60例で、次いで口底癌33例、下顎歯槽歯肉癌29例、頬粘膜癌9例上顎歯槽歯肉癌5例、硬口蓋癌4例であった。今回、本分類の口腔癌に、口唇癌3例と口峡咽頭癌21例を加えた164例を、口腔癌一次症例として検討した。これを部位別にみると、他施設に比べて口峡咽頭癌ならびに口底癌の多い傾向がみられた。このうち、TNM分類(1978)の条件を満たした扁平上皮癌153例について、さらに検討を加えた。T分類では、【T_2】62例と最も多く、次いで【T_3】39例,【T_4】33例,【T_1】19例であった。N分類では、【N_0】66例,【N_3】43例,【N_1】30例,【N_2】14例であった。Stage分類でみると、Stage【IV】が59例と最も多く、次いでStage【III】39例,Stage【II】38例で両者は近似しており、Stage【I】は17例で少なかった。沖縄地方における口腔癌の実態は、初診時ですでに進展症例の多いことが判明した。このことは口腔癌治療の困難性を増強するとともに、予後と直接結びつくため、重要な問題である。今後、口腔癌を部位的にみて、舌癌,口底癌,下顎歯槽歯肉癌などの、臨床的,病理組織学的検討を加える予定である。
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Research Products
(1 results)