1986 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌に対する唾液中IgA抗体価と歯周疾患との関連性
Project/Area Number |
61570975
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐藤 誠 徳島大, 歯学部, 助教授 (10126229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 順子 徳島大学, 歯学部, 教務職員 (10170945)
前原 玲子 徳島大学, 歯学部附属病院, 助手 (30181605)
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Keywords | 歯周疾患 / 唾液中IgA抗体価 / ELISA法 / Bacteroides gingivalis / Actinobacillus actinomycetemcomitans |
Research Abstract |
Bacteroides gingivalisとActinobacillus actinomycetemcomitans抗原に対するヒト唾液中IgA抗体価の測定を行い、歯周ポケットの深さとの関係について検討を加えた。成人型歯周炎患者及び健常者より、全唾液を採取し、同時に歯周炎の罹患程度を知るために、各人の全歯牙について歯周ポケットの測定を行った。唾液は、非働化後、-80℃に凍結保存した。抗原として、B.gingivalis 381及びA.actinomycetemcomitans Y4菌体の超音波処理上清を用いた。これらの抗原に対する、唾液中IgA抗体価の測定にはELISA法を応用した。まず、タン白量3μg/mlになるように0.1MCarbonate buffer,pH9.6に溶解した抗原を平底96穴マイクロタイタープレートの各ウエルに150μl加え、4℃一昼夜コーティングをした。0.5%BSA,0.05%Tween20,0.02%Na【N_3】を含むPBS(PBST)で洗浄後、PBSTで3倍希釈した唾液150μlを加え、室温で4時間反応させた。洗浄後、次にPBSTで1000倍希釈したアルカリフォスファターゼ標識抗ヒトIgAα鎖抗体(ヤギ)150μlを加え、室温で一昼夜反応させた。PBSTで洗浄後、150μlの酵素基質溶液(1mg/mlになるように10%ジエタノールアミン緩衝液pH9.6に溶解したパラニトロフェニルリン酸2ナトリウム)を加え、37℃30分間の反応後、3NNaOHで酵素反応を停止し、405mmにおける吸光度を測定した。標準唾液の段階希釈から作成した標準曲線は、log-logit変換して直線に回帰でき、これを用いて、被検唾液の抗原に対するIgA抗体価をELISAユニットで算出した。その結果、4mm以上の歯周ポケットを有する者は、そうでない者に比べて、8.gingivalis及びA.actinomycetemcomitans両抗原に対して、ともに有意に高い抗体価を示し、5mm以上の歯周ポケットを有する者は、そうでない者に比べて、B.gingivalisに対してのみ、有意に高い抗体価を示した。
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Research Products
(1 results)