1988 Fiscal Year Annual Research Report
プロパルギン・エーテルのクライゼン転位を用いた抗腫瘍性ケレリスリン型塩基の合成
Project/Area Number |
61570992
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石井 永 千葉大学, 薬学部, 教授 (70009166)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 勉 千葉大学, 薬学部, 助手 (20114233)
|
Keywords | ケレリスリン合成 / フラン環の開裂 / プロパルギルエーテル / クライゼン転位 |
Research Abstract |
1.フラン環開裂反応:まず、ベンゾフラン体(1__〜)のフラン環開裂反応に検討を加えた。最終的には、O_SO_4を用いて水酸化させた後、HIO_4にて開裂させ、目的とするサチリルアルデヒド体(2__〜)を54%の収率で得ることが出来た。 2.ケレリスリン(4__〜)の合成:ここに得た2__〜について、メチル化後まずはじめにHClを用いて閉環反応を検討した。その結果、EtOH中2NのHClにて3h加熱還流させた場合に、反応の進行が認められ、脱ホルミル化と同時に閉環反応を起こし、ケレリスリン(4__〜)を与えたが、その収率が低かった。そこで、塩酸の代わりにTsOHを用いて検討した。Xylene中等モルのTsOHを数回に分けて加え、加熱還流したところ、収率の向上が見られ、目的とするケレリスリン(4__〜)を50%の収率で得た。ここに、プロパルギルエーテル体(A__〜)をCsF双在下クライゼン転位を行って、フラン体(1__〜)とした後、環開裂反応にてサリチルアルデヒド体(2__〜)に導き、閉環させ、ケレリスリン型アルカロイドを得るという所期の研究目的を達成することが出来た。しかしながら、この反応行程のうち、いくつかの行程に収率の点で問題があるめ、現在、収率の向上を目指して検討している。さらにケレリスリン(4__〜)以外の本型アルカロイドの合成も試みている。本年度得られた成果については、日本薬学会第109年会(名古屋、1989年)について発表の予定である。
|