1987 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原菌に有効なカルバーゾル系抗生物質カルバゾマイシンの生合成と類縁体の構造
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61571004
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金田 幸 広島大学, 医学部 (40019675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 昭四郎 広島大学, 医学部, 教授 (40013304)
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Keywords | カルバゾマイシン(Carbazomycin) / カルバゾマイシンBの生合成 / 酢酸導入の配列方向性 / 〔2-^<13>C, ^2H_3〕酢酸の投与 / ^2Hアイソトープシフト / カルバゾマイシンG / カルバゾマイシンH / X線結晶解析 |
Research Abstract |
1.カルバソマイシンB(I)の生合成. 61年度には, これ迄炭素起源が未定のC-2, C-11ヘピルビン酸(アラニン)が導入され, ピルビン酸はさらにアセチルCoAを経てC-1, C-10へも導入されることが証明された(Fig.1)が, 本年度はピルビン酸及び酢酸の導入の配列方向性決定のため, ^<13>C-NMRにおける^2Hのアイソトープシフト効果を応用すべく^3C及び^2Hダブルラベル前駆体を用いた実験を計画したが, ダブルラベルピルビン酸(アラニン)は入手できず, 結局^<13>C^2H_3COONaの投与実験を行った. その結果, 酢酸は導入率0.5%でIへ導入されたが, 得られたラベル化カルバゾマイシンBのアイソトープシフト効果検出には400MHz以上の超伝導NMR装置が必要であり, 現在他の研究機関に測定を依頼中である. 2.類縁体の単離と構造決定. 〔3-^<14>C〕Trpを投与して得た培養液のTLCで高い放射能活性を示す物質について分離精製を行い, 新物質としてカルバゾマイシンG(II)及びH(III)を得た. II及びIIIの構造は, MS, 1H, ^<13>C-NMRの検討, 及びIIのX線結晶解析の結果から(Fig.3), 右のFig.2.のように決定された. 両者はC-1位に不斉炭素をもつが, 光学活性を示さず, 結晶がP^21/aなる空間群をもつことよりラセミ体である. IIはTrichopyton属カビ類に対し阻害活性を示した.
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Research Products
(2 results)