1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61571011
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
堀 幹夫 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (80082957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩村 樹憲 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (70184900)
清水 洋 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (00082983)
片岡 貞 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (00082975)
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Keywords | セレノキサンテン / セレノキサンテニウム塩 / セレノアントラセン / 転位反応 / セレノニウムイリド |
Research Abstract |
申請研究課題の成果は, 下記のように要約でき, 合成面における所期の目的を達成した. 1.環状セレノニウム塩の合成と反応: 9位にアルキル基またはアリール基をもつセレノキサンテンを, ハロゲン化アルキルー過塩素酸銀を用いてアルキル化またはジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレートを用いてフェニル化した. 得られたセレノキサンテニウム塩類には, 環反転およびピラミッド反転に基づく4種の異性体が考えられる. 各セレノニウム塩は, 1H-NMRスペクトルを用いて, その異性体の立体構造を決定した. これらの新しいセレノニウム塩類に塩基で処理すると, 不安定なセレノアントラセンを生成し, それらは転位または脱アルキル(アリール)化反応をおこした. セレン原子上置換基と9位カルバニオンがシス配置をとるセレノアントラセン類からは, 高収率で転位生成物が得られ, トランス配置をとるセレノアントラセン類からは, 脱アルキル化(脱フェニル化)生成物の生成率が高くなった. このような立体化学の違いによる反応の相違は, 低温で反応を行なうと更に顕著な反応の相違が期待される. 2.薬理活性化合物合成と薬理活性の測定: 鎖状セレノニウム塩の免疫賦活作用を測定したが, 顕著な作用は認められなかった. 他の向精神作用物質の合成などは, 化合物が酸に不安定であり, 合成のための反応条件の検討が必要であろう.
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