1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61571012
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
佐藤 義朗 名古屋市大, 薬学部, 教授 (80080183)
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Keywords | アンモニウムイリド / N-イリド / Sommelet-Hauser転移 / Stevens転移 / 四級アンモニウム塩 / アミノメチルシラン |
Research Abstract |
從来4級アンモニウム塩に強塩基を作用させることによってのみ発生させていたアンモニウムイリドをフッ素イオンによる脱シリル化により、中性条件下で発生させる研究を行なった。 1.合成したα-シリルアンモニウム塩:Benyldimethyl(trimethysilyl-methyl)ammonium塩,およびオルトあるいはパラ位に各種の置換基を有する合計12種の誘導体。Benyldialkyl(trimethylsilylmethly)ammonium塩5種を合成し以下の反応に供した。 2.反応条件:各種の溶媒,フッ素源を検討した結果、HMPA中 CsFと室温約20時間撹拌するという簡単な条件で反応は高収率で進行することを明らかにした。以下の実験はこの条件で行なった。 3.ベンゼン環の置換基と転移生成物の条件の関係:オルトあるいはパラ置換基がH,Me,AcO,CLの様に電子供与基あるいは弱い電子吸引基の時には、収率75%以上、異性体の生成比:Sammelet-Hauser転移:Stevens転移=>95:<5という高選択性を示した。これに反Lac,CN,【NO_2】のように強い電子吸引基を置換基に持つものでは両転移は競合して起り、特にニトロ基を持つものからはStevens転移体が選択的に得られた。更にo-CNを有するものからはpara-Sommelet-Hauser転移体が生成するという興味ある知見を得た。 4.N-アルキル基の影響:エチル,プロピル,ブチル,ピロリジン,ピペリジン誘導体でも高収率、高選択的にSommelet-Hauser転移体を得、塩基を用いる反応で主生成物となる脱アルケン体の生成はまったく見られなかった。 以上の結果、脱シリル化法によるイリド転移は高選択的,高収率で進行し実用性が高いことを実証した。
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Research Products
(2 results)