1986 Fiscal Year Annual Research Report
酵素阻害活性を有するヌクレオシドおよびヌクレオチドの合成研究
Project/Area Number |
61571015
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮坂 貞 昭和大, 薬学部, 教授 (70053808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 弘之 昭和大学, 薬学部, 助手 (40180955)
佐藤 和恵 昭和大学, 薬学部, 助手 (90053941)
田中 博道 昭和大学, 薬学部, 助教授 (50109477)
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Keywords | ヌクレオシド / ヌクレオチド / 酵素阻害 / ウリジン / リチウム化 / 光化学 / ナイトレン |
Research Abstract |
糖部分の水酸基を保護したウリジンおよび2´-デオキシウリジンをリチウムジイソプロピルアミドでリチウム化し、親電子試剤との反応を行なうと、塩基部6位に位置特異的に種々の官能基を導入できる。この方法により各々の6-ヨード体を合成した。この化合物は極めて有用な中間体であり、パラジウム触媒を用いる末端アルキンとのカップリング反応で6-エチニル誘導体が、芳香族化合物を用いる光化学反応によって6-アリール体が、またアジドアニオンとの置換反応により6-アジド体が合成できた。得られた化合物の生理活性について検討した結果、6-エチニルウリジン、6-エチニル-2-デオキシウリジンおよび6-アジドウリジンに弱いながらも抗白血病作用が認められた。 他の標的化合物である6-ビニル体は、上記のリチウム化反応で蟻酸メチルを用いて合成できる6-ホルミル体のWittig反応によって得た。その生理活性に関しては現在検討中である。 この研究で合成した化合物のうち、リボヌクレオシドについてはその5´-リン酸を合成し、オロチジン-5'-モノリン酸脱炭酸酵素に対する阻害活性を調べるべく研究を継続中である。また2'-デオキシリボヌクレオシドの場合には、同様に5'-リン酸に誘導した後、チミジル酸合成酵素との相互作用について研究する計画である。この酵素はSH酵素の一つであることが知られているので、これらの化合物を用いることにより、分子レベルでその作用機作を解明できるものと考えている。6-アジド-2'-デオキシ体の場合には、光照射の条件下でナイトレンを生成することから、本酵素の活性部位を調べる上に極めて有効な化合物である。
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[Publications] Hiromichi Tanaka: Tetrahedron. 42. 1971-1980 (1986)
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[Publications] Hiromichi Tanaka: Tetrahedron. 42. 4186-4195 (1986)
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[Publications] Hiromichi Tanaka: Canadian Journal of Chemistry. 64. 1560-1563 (1986)
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[Publications] Kazue Satoh: Nucleosides and Nucleotides. 5. 461-469 (1986)
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[Publications] Hiroyuki Hayakawa: Tetrahedron Letters. 28. 87-90 (1987)
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[Publications] Tadashi Miyasaka: Journal of Heterocyclic Chemistry. 24. (1987)