1986 Fiscal Year Annual Research Report
心房性ナトリウム利尿ホルモン関連ペプチドの合成及びその構造活性相関研究
Project/Area Number |
61571020
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木曾 良明 京薬大, 薬学部, 教授 (40089107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
霜倉 正徳 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (10171000)
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Keywords | 心房性ナトリウム利尿ホルモン / ペプチド合成 / 構造活性相関 / ANP |
Research Abstract |
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANp)は強力なNa利尿作用及び血管拡張作用を持つペプチドでα型は28個のアミノ酸よりなる。我々はすでにヒト及びラットのα-ANPの合成に成功し、フラグメントを用いたラジオイムノアッセイも確立した。 SS結合により形成される大環状構造が充分な利尿活性に必要な最少構造である事、SSをプロピレンにかえたcyclonatrin-54が十分な活性を持つ事、SS結合を持たない直鎖状ペプチドα-hANP(8-22)が活性を持つ事をすでに証明したので、まず直鎖状アナログを合成した。7,23位CysをAlaに、12位Met(ヒト)又はIle(ラット)を両者の中間の性質を持つLeuに置換したペプチドを種々合成した。9位GlyをD-Alaに置換すると活性が増大した。これはβベンド効果によりANPレセプターとの結合に有利なコンホーメーションをとるためと考えられる。N末又はC末部分が欠如したペプチドの活性の比較より、N末部分(1〜4)又は(1〜6)が活性に重要で、C末端部分27、28位はさほど重要ではないことがわかった。 更により高い活性を持つ物質を得るためSS結合を持つ活性必須部分(7-26)のアナログを種々合成した。結果として、環内部の脂肪族アミノ酸は7位Cysに近い程、より厳密な構造が要求されると考えられる。また、13位のAsp→Glyの置換と、11位Arg→Glyの置換の結果を比較する事により13位Aspの陰電荷より12位Argの陽電荷の方が活性に重要であると思われる。C末端26位にArgを付加すると、やや活性が増加した。 以上の様な構造活性相関研究の結果、個々のアミノ酸残基の重要度がかなりわかってきたので、今後更に、立体構造なども考慮したアミノ酸の置換、挿入、欠落等を行ない、ANPの作用機序の解明と、より高活性、持続性のアナログの開発を行ないたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Kobayashi: J.Hypertension. 4. S335-S338 (1986)
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[Publications] 木曽良明: 日本腎臓学会誌. 28. 915-916 (1986)
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[Publications] N.Morii: Hypertension. 8. 61-65 (1986)
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[Publications] A.Sugawara: Hypertension. 8. 151-155 (1986)
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[Publications] Yoshiaki,Kiso: Peptide Chemistry 1986. 57-62 (1987)
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[Publications] Yoshiaki,Kiso: J.Protein Chemistry. 6. 151-166 (1987)