1986 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質中のトリプトファン及びメチオニン含有フラグメントの選択的な超微量単離法
Project/Area Number |
61571025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 洋 東大, 薬学部, 助手 (60092285)
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Keywords | 蛋白質 / トリプトファン / メチオニン / ペプチドフラグメント / キレート試薬 / 蛍光検出 / 高速液体クロマトグラフィー / 電気化学検出 |
Research Abstract |
1.蛋白質中のトリプトファン含有フラグメントを2-カルボキシ-1-ヒドロキシ-4-ナフチルメチルジメチルスルホニウムクロリド(蛍光性Koshland試薬、FKR)を用いて選択的に単離する方法を開発した。FKRはpH1〜3でトリプトファン残基と選択的に反応して発蛍光性のインドレニン誘導体を与える。このものはFKRに由来するサリチル酸骨格を含むため、キレートカラムでの捕集が可能である。第1法では変性剤の存在下に蛋白質をラベルし、ゲル濾過で低分子を除去したのちFKR蛋白質を酵素を用いて限定加水分解した。生成したFKRペプチドをChelating Sepharose 6Bカラム(【Fe^(3+)】または【Al^(3+)】型)に吸着させ、EDTAで溶離・回収した。これをODS-シリカを用いた逆相HPLCにより精製した。第2法は第1法でのゲル濾過に替えてエタノール沈殿法により目的とするラベル化蛋白質を得る方法である。これに対して第3法は蛋白質を予め酵素で限定加水分解したのちにFKRでラベルする方法である。過剰の試薬や副生成物をベンゼン抽出で除去し、以後は第1法と同様に操作した。第1法にはリゾチーム、第3法には還元カルボキシメチル化リゾチームを各々モデル蛋白質に選んで微量化を検討した結果、各々200〜300μ【g`´】の蛋白質でトリプトファンフラグメントを単離することができた。 2.蛋白質中のメチオニンフラグメントの単離法として、蛋白質を酵素により限定加水分解後に、生成するメチオニン含有ペプチドをイオウ錯体として捕集する方法を検討した。その結果、Chelating Sepharose 6Bカラム(【Pd^(2+)】型)がこの目的に合致することを見出した。さらに、このようにして捕集したメチオニン含有ペプチドの精製法として、電気化学的検出器を用いる逆相HPLCが適用できることを明らかにした。本法は他の含硫アミノ酸含有ペプチドの精製にも応用できる。
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