1986 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド・タンパク質のC末端アミノ酸残基の段階的分解法の確立
Project/Area Number |
61571027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安原 義 東大, 薬学部, 助手 (90110444)
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Keywords | チオヒダントイン法 / エドマン分解 / ペプチドの段階的分解法 / ペプチドのC末端分析 |
Research Abstract |
エドマン分解法に匹敵するC末端からの段階的な分解法を確立することはCDNAからのアミノ酸配列の決定法と補足しながら、巨大タンパク質のアミノ酸配列が微量迅速に決定出来る。チオヒダントイン法は、ペプチドのC末端アミノ酸を活性化し、これにチオシアン酸イオンを付加させ、次に、アルカリで切断する過程からなっている。従来の方法では、チオシアン酸イオンとして、チオシアン酸ナトリウムや、チオシアン酸のジオキサン溶液を用い、また、切断反応にイオン交換樹脂を用いたため、反応収率、副成物の除去、試薬の調整に手間がかかり、試料も1μmoleから100μmoleと多量を必要とした。本研究に於いて、高感度化と操作の簡略化を計り、下図のシステムを確立した。この結果、ナノモルスケールでモデルペプチドLev-GlyGlyやFor-Met-Lev-Pheのアミノ酸配列を求めることが出来た。 この方法では、Ser,Cys,Lys,Arg,Hisが反応せず、ペプチドの活性化の際、トリフルオロ酢酸5μlを加えることにより、Lys,Arg,Hisは反応させることは出来たが他のアミノ酸の収率が悪くなった。 現在、Ser,Cysの反応性の検討全アミノ酸の収率向上、チオヒダントインのHPLCによる一斉分析の確立を進めている。
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