1986 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物起源アスパラギン結合型糖鎖のキシロースを含有する共通コア構造の実証
Project/Area Number |
61571057
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
石原 英子 名古屋市大, 薬学部, 助教授 (90080192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 雅美 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (80080216)
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Keywords | 高等植物起源アスパラギン結合型糖鎖構造 / キシロース含有アスパラギン結合型糖鎖構造 / アスパラギン結合型糖鎖構造解析 |
Research Abstract |
研究の目的:動物起源のアスパラギン結合型糖鎖のコア構造は(1)である。一方、高等植物起源のアスパラギン結合型糖鎖のコア構造は、糖鎖構造の解析例が少ないので、まだ決まっていないが(2)と云えるか?。(3)はパイナップル・ステム・ブロメラインの糖鎖構造であるが、この他には糖鎖は存在しないか?。高等植物起源のアスパラギン結合型糖鎖の生合成マップを推定できないか?。以上を解明することが目的であった。 研究実績:1.パイナップル・ステム・ブロメラインを精製し、ヒドラジン分解により糖鎖を化学的に切り出し、2-アミノピリジル化して蛍光標識し、HPLCにかけた。(3)の主構造の他に少量の糖鎖として約6種類(それぞれ1〜3%)の存在が明らかとなった。これらの糖鎖は、分子量の大きさが判るTLCの結果から(3)よりも小さいもの1種類と(3)よりも大きいものであった。前者はメチル化分析の結果から(3)からFucがとれたものであった。後者については解析中であるが(2)は存在しない。2.高等植物起源のアスパラギン結合型糖鎖の構造解析は筆者らが報告したパイナップル・ブロメラインおよびシカモア・ラッカーゼを含み現在までに9種類の起源の報告しかないが、これらの構造をまとめると(1)が伸長したもの(ヒマ種子レクチン)(2)が伸長したもの(ラッカーゼ)(3)が伸長したもの(ブロメライン、但し(2)の構造はとらない)に分類される。生合成については(1)は糖-脂質中間体が転移する初期の経路は動物細胞と同一と推定されるが(2),(3)では別の経路を考えねばならない。キシロースを含有するコア構造として(2)と(3)の系列があり同一植物に両系列を含むことはないと推定される。
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[Publications] Hideko Ishihara: Annual Report of the Faculty of Pharmaceutical Sciences Nagoya City University. 33. 1-37 (1986)
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[Publications] Noriko Takahashi: Biochemistry. 25. 338-395 (1986)
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[Publications] Noriko Takahashi: Biochemistry. 26. (1987)