1986 Fiscal Year Annual Research Report
食細胞のスーパーオキサイドアニオン生成系フラビン酵素の構造と機能の解析
Project/Area Number |
61571060
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
田元 浩一 東日本学園大, 薬学部, 助教授 (50088861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 一伸 北海道大学, 薬学部, 助手 (70001980)
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Keywords | 多形核白血球 / スーパーオキサイドアニオン生成酵素 / フラビン蛋白質 / 抗NADPH-チトクロムP450 reductase抗体 |
Research Abstract |
当初研究計画に基いて、【O(_2^-)】生成酵素に含まれるフラビン蛋白質の細胞内局在性と【O(_2^-)】生成活性発現の関係を解析するために、(1)モルモット肝臓からNADPH-P450 reductase(Reductase)を単一に分離精製し、(2)単離したReductaseをウサギに免疫して抗Reductase抗血清を二種類調製した。さらに、(3)これらの抗血清からanti-Reductase抗体をアフィニティクロマトグラフィーにより特異的に分離精製し、この抗体がすでに報告した抗体と同様に、刺激物で活性化したモルモット多形核白血球(PMN)の【O(_2^-)】生成酵素活性を阻害することを認めた。また、(4)この抗体の【F(ab´)-2】やFa【b!´】フラグメントを調製し、金コロイドに結合させたconjugateを作製した。このconjugateをintactなPMN細胞と反応させたところ、conjugateは細胞表面に結合せず、【O(_2^-)】生成酵素の一成分であるフラビン蛋白質の主要な構造部分は細胞膜に埋もれているか、細胞質側に露出していることが示唆された。(5)刺激物で活性化したPMNを【N_2】cavitation後Percoll比重遠沈法で分画すると、目的のフラビン蛋白質は未刺激のPMNを分画した時と同様に細胞膜に存在し、anti-Reductaseの【F(ab´)-2】を結合させたSepharose CL-4Bビーズを用いるimmunoprecipitation法で、SDS-PAGEで分子量78,000の位置に泳動する蛋白質として分離された。先に、SDS非存在下でのディスクPAGEでフラビン蛋白質の分子量が150,000であることを見出しているが、これはSDS非存在下では78000の蛋白質が2分子会合しているか、あるいは他の膜成分と会合体を形成しているためと考えられる。一方、(6)フラビン蛋白質の一次構造を、mRNAのヌクレオチド配列から決定する際に必要なオリゴヌクレオチドprimerについては、種々の動物の肝のReductaseの一次構造やcDNAの塩基配列に関するいくつかの報告を参考に種を越えてhomologyの高い部分についての選定を終え合成に着手する。(7)刺激したPMNを固定し、免疫電顕用の超薄切片を調製し、フラビン蛋白質の局在性を検討中である。
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