1986 Fiscal Year Annual Research Report
Morphineの新代謝経路ならびにその生理的役割の解明
Project/Area Number |
61571078
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
土岐 智 福岡大, 薬学部, 教授 (10078686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 隆 福岡大学, 薬学部, 助教授 (90122671)
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Keywords | morphine / morphinone / morphinone-glutathione / in vivo代謝 / in vitro代謝 / 種差 / 細胞内局在性 / 代謝経路 |
Research Abstract |
1.Morphine皮下投与モルモットの24時間尿中に排泄されるmorphinoneは、投与量の3.5%、未変化体のmorphineが6.5%であり、不安定なmorphinoneの排泄が意外に多いことが注目された。また、糞中にmorphinoneは検出されなかった。 2.Morphine投与モルモットの胆汁中には、morphinone1.3%,morphinone-glutathione9.4%,morphine-3-glucuronide7.5%および未変化体のmorphine1.1%が4時間内に排泄された。Morphinone-glutathioneは、4時間目でほとんど排泄されなくなるが、morphine-3-glucuronideは、さらに持続的に排泄される傾向がみられた。 3.各種実験動物(モルモット,ウサギ,ラット,マウスおよびハムスター)の各種臓器(肝,腎,肺,小腸および脳)の9000g上清での代謝において、(1)これらすべての実験動物の各臓器でmorphinoneの生成が認められ;(2)morphinone生成活性は、すべての動物において肝が最大であり;(3)モルモットとウサギでは小腸、ラットとハムスターでは肺が肝に次ぐ活性を示すことが判明した。 4.これらの実験動物の肝におけるmorphinone生成活性の細胞内局在性について検討したところ、(1)可溶性画分のみならず、弱いながらもミクロソーム画分にも、その生成活性が認められ;(2)これをpH7.4で比較すると、可溶性画分では、モルモット>ウサギ,ハムスター>マウス>ラットの順であり、ミクロソーム画分では、ラット>>マウス,モルモット,ウサギ>ハムスターの順であった。 以上のように当初の研究目的をほぼ達成できたものと考えている。また、今後の課題として、各種化合物によるmorphinone生成量の変化を調べ、治療の一助にしたいと考えている。
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[Publications] Yoshito Kumagai: J.Pharmacobio-Dyn.9. S-49 (1986)
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[Publications] Yoshito Kumagai: J.Chromatog.
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[Publications] Takashi Ishida: Drug Metab.Dispos.
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[Publications] Yoshito Kumagai: J.Pharmacobio-Dyn.