1986 Fiscal Year Annual Research Report
新しいヒト主要組織適合抗原(MHC)およびその遺伝子についての研究
Project/Area Number |
61571108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
滝口 雅文 東大, 医科学研究所, 助手 (00183450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狩野 恭一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80152825)
有賀 寛芳 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20143505)
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Keywords | HLA抗原 / Qa遺伝子 / 主要組織適合抗原 |
Research Abstract |
マウスのQa領域にある遺伝子にあたるヒトの主要組織適合抗原遺伝子をクローニングするために、1.マウスのQa領域の遺伝子に特異的な190bpのDNAをプローブとして、2HLAB7cDNAをプローブとしてヒトのジエノミック・ライブラリーからのクローニングを試みた。まず1.の方法でのクローニングの可能性を検討するために、様々のヒト培養細胞および正常ヒト末梢血白血球からのDNAをサザンブロット法により検討したが、このプローブがハイブリダイズするバンドがみられた。一方クローニングされたHLAB7の遺伝子は、このプローブとほとんどハイブリダイズしないので、明らかにHLA-A,B,Cのの遺伝子とは別の遺伝子が存在することがわかった。そこで、正常人末梢血白血球のDNAからジエノミック・ライブラリーを作製して、この遺伝子のクローニングを試みた。現在のところ、190bpのこのプローブによって、1つのクローンがクローニングされておりその制限酵素地図を作製中である。この遺伝子がヒトのQa領域遺伝子に相当するかをさらに検討するために、次のことをおこなう予定である。(1)マウスL細胞に遺伝子移入してその発現と遺伝子産物を検討する。(2)この遺伝子を作って、各種ヒト培養細胞での発現を調べる。(3)cDNAを作製する。(4)塩基配列を決定し、HLA遺伝子およびマウスのQa遺伝子と比較する。 一方、2の方法でクローニングしたクローンのうち、HLA-A,B,C,に属さないと考えられる遺伝子が、えられた。現在この遺伝子をマウスL細胞に遺伝子移入して検討中である。
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