1987 Fiscal Year Annual Research Report
カブトガニG系凝固因子を用いた真菌血症診断法の確立
Project/Area Number |
61571116
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
大林 民典 自治医科大学, 医学部, 講師 (60102266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 忠 自治医科大学, 医学部, 教授 (60048957)
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Keywords | カブトガニG系凝固因子 / 真菌血症 |
Research Abstract |
Candida albicansをグルコースとペプトンを含む培地で37°C. 2日間振盪培養し, 121°C, 20分間オードクレーブにかけて殺菌した. 菌体を集めて水, エタノール, エーテルで十分洗條した後乾燥し, 洗條脱脂乾燥菌体を得た. これをBishopらの方法1)に準じて, N2気流下4°Cで3%NaOHで十分に抽出し洗浄し, さらに水, 0.5M酢酸, または水で十分抽出した残分をエタノール, エーテルで洗條し, 濃硫酸上で乾燥して, Candida albicans細胞壁不溶性多糖標準品とした. 現在分析中である. カブトガニのG系凝固因子を利用した真菌細胞壁多糖の検出法(以下Gテストと略)の臨床応用は, 主に白血病を中心とした悪性の血液疾患に続発した敗血症について行った. 従来のリムルステストが陽性であるにもかかわらず, G系因子を除いたエンドトキシンに特異的なテストでは陰性であることから真菌血症が疑われた症例が24例あり, このうち21例に対してGテストを行ったところ19例で明らかな高値が得られた. さらにこの19例のうち3例にアンホテリシンBを投与したところ, 臨床的な改善がみられた. 一方, 上記の24例中, 血液培養ないし剖検で深在性真菌感染が確認されたのはそれぞれ4例と3例のあわせて7例にすぎなかった. このように, 血液培養によって生前に真菌血症を診断することは難しいが, Gテストによってかなり高い確立で傍証を得ることができ, 適切な処置がより迅速にできるようになることと思われる. 1)C.T.Bishop,F.Blank,and P.E.Gardner.The cell wall polysaccharides of Candida albicans:Glucan,mannan,and chitin.,Can J.Chena.38:869-881,1960
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 吉田稔 他: 臨床血液. 28. 818-822 (1987)
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[Publications] Obayashi, T. et al: Prog. Clin. Biol. Res.231. 357-369 (1987)
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[Publications] 吉田稔 他: "「エンドトキシン臨床研究の新しい展開,」カブトガニ凝固因子の利用による重症血液疾患に伴うグラム陰性桿菌および真菌血症の診断率の向上" 羊土社, 25-30 (1987)