1987 Fiscal Year Annual Research Report
血小板活性化機構における膜糖蛋白と骨格蛋白との相互作用に関する研究
Project/Area Number |
61571117
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
池田 泰夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00110883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 誠 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40129614)
渡辺 清明 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20101983)
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Keywords | Shear-induced platelet aggregrtion / Cone & plate viscometer / GPIb / GPIIb1IIIa / fibrinagen / von willebrand faotor / cytosheletrl proteins |
Research Abstract |
本年度は血小板活性化のモデルとして, ずり応力下での血小板凝集に注目し, その基礎的研究を行った. cone and plate型回転粘度計を用い, 血小板に一定のずり応力をかけると, 血小板は凝集惹起剤を添加しないでも, 時間の経過とともに凝集する. 我々はこの凝集を連続的に記録し得る装置を〓接した. その原理は, plateの水平方向に光ファイバーによりレーザー光線を誘導し血小板凝集の程度を透過光景の変化で表わすものである. 正常ヒト血小板は18〜108dyne/cm^2のずり応力下で凝集することが観察された. このうち低shear領域での凝集は血小板膜糖蛋白GBIIb/IIIaに対するモノクローナル抗体で抑制され, 高shear領域での凝集は抗GpIIb/IIIaモノクローナル抗体の他, 抗GpIbモノクローナル抗体でも抑制された. 先天性血小板機能異常疾患者血小板を用いて, 更にこの凝集の機序を検討すると, 血小板無力症では18〜108dyne/cm^2において凝集が全く認められなかった. 一方, Bernard.Soulier症候群では, 低shear領域での凝集は正常と同様にみられたが, 高shear領域での凝集が欠如していた. von Willebrand病typeIIIの血小板はBernard-Soulier症候群血小板と同様の結集であり, 無フィブリノゲン血症血小板板デハ低Shear領域での凝集が起らなかった. 即ち, 低Shear領域ではフィブリノゲン, GpIIb/IIIaが, 高Shear領域では, von Willebrand因子, GpIb, GpIIb/IIIaがそれぞれ凝集に重要な役割を演じていることがわかった. 一方, このずり応力下での血小板凝集には骨格蛋白も深い関係を有していることから, 骨格蛋白と膜糖蛋白の相互関係を検討するのにずり応力下での血小板凝集の検討は有用であると思われた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 池田康夫: 代謝. 24. 15-24 (1987)
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[Publications] Y. Ikeda;M. Murata et al: Jhroub. Res.
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[Publications] M. Taki;Y. Ikeda, et al (eds H. Yamataki;J. F. Mustard): "On the interaction of platelet glycopretein Ib with vor Willebrand factor and thrombin in Platelet activation" Academic Press, Tokyo, 135-144 (1987)