Research Abstract |
本研究の目的は, 看護学生が卒業までに情報処理についての知識及び技術をどの程度習得することが必要であるかを, 実戦の場と教育の場との両面からの調査により明らかにすること, そして, これらの調査結果をふまえ, 看護情報処理教育のあり方, 枠組, 内容等を検討するとともに, 教育システムを考察することにある. 本年度は, 教育の場として保健婦・助産婦・看護婦を養成する学校を対象に, 現地調査及びアンケート調査を行なった. アンケート調査は, 全国の看護系学校のうち, 大学, 3年課程短期大学, 2年課程短期大学, 短期大学専攻科(保健婦及び助産婦), 3年課程, 2年課程, 保健婦学校, そして助産婦学校を対象とし, 学科(専攻科)単位にその長ないしは教務主任に対して行なった. 従って, 同一の教育機関に2つ以上の学科ないしは専攻科があれば, その数だけ調査票を配布したので, 合計1006学科(専攻科)が対象になった. 調査結果の概要は以下の通りである. 研究教育用のコンピュータの導入状況については, 半数以上の学科(専攻科)において導入されており, 研究や教育用にコンピュータが必須のものになってきていることが把握できた. 授業科目として情報処理教育を行なっている, または行なう予定の学科(専攻科)は, 年々多くなってきており, 情報処理教育の関心の高さが確認された. 一方, 看護系学校における情報処理教育の必要性については, 8割近くの回答者(学科長ないしは教務主任)が必要であるとしており, 看護系学校における情報処理教育のあり方やカリキュラムについての検討の必要を改めて確認することができた. また, 教育の場からみた, 看護業務へのコンピュータ導入については, 否定的な意見をもつ回答者は少なく, 前年度調査した実践の場での意見と同様な傾向を示したことは興味深い. さらに, 現地調査では, 情報処理教育に関して様々な試みが把握された.
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