1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61571126
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
大堂 庄三 宮崎医大, 医学部, 助教授 (90041409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 徹 宮崎医科大学, 医学部附属病院, 助手 (70187897)
政所 治道 宮崎医科大学, 医学部附属病院, 助手 (70157395)
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Keywords | 早期小児自閉症 / 精神遅滞 / 遺伝性疾患 / 脆弱X染色体 / X連鎖性精神遅滞 |
Research Abstract |
研究期間中に早期小児自閉症と診断し、詳細な病歴を聴取し、完全に理学所見を得ることができた症例は144名であった。このうち、男児が116名(80.6%),女児が28名(19.4%)で有意に男児が多かった。(P<0.005)。初診時の年齢は、男児で4歳5カ月、女児で3歳4カ月で有意に女児の方が早期に受診している。全体の初診時の平均年齢は3歳11カ月であった。精神遅滞を伴う早期小児自閉症患児と、伴なわない患児とでは初診時の年齢に差異はなかった。精神遅滞合併患児は117例(81.2%),知能正常例は27例(18.8%)であった。精神遅滞合併例の頻度には男・女で有意の差はなかった。早期小児自閉症の症状が1歳6カ月頃から明確に出そろう、いわゆる折れ線型は25例(男子20例,女子5例)であった。これらは全体の17.3%に相当する。144例のうち、病因が確立されている先天性疾患に合併して認められたものは3例(フォン・レックリングハウゼン病,外胚葉形成不全,先天性風診症候群)、2%であった。残りの141例のうちの67例について脆弱X染色体の検索を行い、そのうちの2例(3%)で陽性であった。これらの患児はいずれも男児である。このうちの1例では、母親の検索でも、脆弱X染色体が陽性であった。いまだ研究の途中であるが、私達の調査結果から推測すると、日本人には脆弱X連鎖性精神遅滞の頻度は低いかもしれない。同胞例は2組4例(姉-弟,兄-弟)であった。兄弟例の家系では、母方祖母の弟とその子供の1人が本症候群の遺残状態であることを疑わせた。合併大異常は15例で認められ、それらのうちの8例はてんかんであった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] OHDO,S.;MADOKORO,H.;SONODA,T.;HAYAKAWA,K.: ACTA PAEDIATRICA JAPONICA. 28. 633-638 (1986)