1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61571126
|
Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
大堂 庄三 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (90041409)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 徹 宮崎医科大学, 医学部附属病院, 助手 (70187897)
政所 治道 宮崎医科大学, 医学部附属病院, 助手 (70157395)
|
Keywords | 早期小児自閉症 / 精神遅滞 / 遺伝病 / 脆弱X染色体 |
Research Abstract |
宮崎医科大学小児科で早期小児自閉症と診断し, 経過観察している92例(男子80例, 女児12例)について, 脆弱X染色体を検査した. 早期小児自閉症の診断は, DSM-IIIの診断基準に忠実に従った. 脆弱X症候群の診断は, 同一個体の2個以上の細胞に脆弱X染色体が認めた場合に行った(de Arceら, 1986の基準). 結果は, 92例の早期小児自閉症の患者のうち, 13歳2カ月と2歳7カ月のまったく血縁関係のない男児2例(全体の2.2%)にそれぞれ5.2%と8%に脆弱X染色体を認めた. 前者の母親(検査時34歳)では, 脆弱X染色体を見出すことができなかった. 後者の母親(検査時27歳)では, 1%に脆弱X染色体を認めた. 検査を行った早期小児自閉症の男子は80例であったから, 結局脆弱X症候群の男性患者での頻度は2.5%となった. この成績と, 欧米で報告された早期小児自閉症男性患者中の脆弱X症候群の頻度に関するすべての報告(Brown WT,et al,1986;Wahlstrom J et al.,1986:Wright KH.,et al.,1986)の頻度を合計したものと比較すると, 私達の成績における頻度は有意に低かった(P<0.05). わが国で報告されている少数を対象とした調査に於ける頻度を加えても, 同じく欧米の頻度より有意に少なかった. 以上の成績から, 日本人早期小児自閉症の成因にしめる脆弱X症候群の頻度は欧米における頻度と比べ, 有意に少ないことが強く示唆された.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 政所治道, 大堂庄三, 園田徹, 大庭健一, 早川国男: 日本小児科学会雑誌.
-
[Publications] Madokoro H;Ohdo S;Sonoda T;Ohba k;Hayakawa K.: Ata Pasediatr Jpn.