1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580022
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉江 昇 名大, 工学部, 教授 (30126867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 昇 名古屋大学, 工学部, 講師 (70185338)
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Keywords | 主観的輪郭 / 輪郭 / 画像処理 / コンピュータビジョン / 視覚 / 錯視 |
Research Abstract |
主観的輪郭とは、明るさや色の物理的対比の存在しないところで知覚される輪郭のことで、生体の巧妙な輪郭抽出桟構の反映した現象である。本研究は主観的輪郭を生じることの知られている回形を入力すると自動的に主観的輪郭を形成し出力するアルゴリズムを考案することを目的としている。心理的知見を参照して、主観的的輪郭を一部に持つ図形か、他の図形をおゝい隠していると仮定してアルゴリズムを考えた。すなわち、物理的対比のあるところで生じる客観的輪郭と主観的輪郭との接する点は、T形の頂点となることに着目した。まず、入力画像に、生体の視覚系に存在すると考えられるラプラシアンGオペレータを作用させ、そのゼロクロッシングをたどることにより客観的輪郭を抽出する。ついで、客観的輪郭の曲率の急変部を抽出する。これは視覚系での超複雑形ニューロンの役割りに相当するものである。さらに、客観的輪郭線に、進向方向右手に図が左地が右にあるように失印をつける。客観的輪郭の曲率急変部(頂点)をT形頂点の候補とし、各侯補間に結合強度を定義する。結合強度としては、頂点間の距離が近いほど大きく、頂点から延長した客感的輪郭のペアのなす角度が小さいほど大きくなるものを選ぶ。各頂点のペアにつき、結合強度を調べ、それが最大となるようなペアを求める。最後に求まったペアの間をなめらかに主観的輪郭で結び、客観的輪郭とあわせて出力する。このようなアルゴリズムを用いて、いくつかの主観的輪郭を生じる図形を対象にして、画像処理をほどこしてみた。線をふくまない図形に対しては、人間と同じような主観的輪郭が形成できることを確かめた。塗りつぶし図形と線図形が混在する場合には、線の端点を頂点の候補に加えればよいと思われるが、これについては、次年度の課題としたい。また濃淡画像をも扱えるようなアルゴリズムを拡張したい。
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[Publications] 杉江昇: 電気学会雑誌. 106. 387-390 (1986)
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[Publications] 山田健史,杉江昇,井奈波亮: 電子通信学会論文誌. J69-D. 1824-1832 (1986)
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[Publications] 川村旭,杉江昇,杉原厚吉: 電子通信学会技術研究報告. PRU86. 9-16 (1986)
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[Publications] 関和徳,杉江昇,杉原厚吉: 電子通信学会技術研究報告. PRU86. 17-24 (1986)
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[Publications] 安藤和久,杉江昇: 電子通信学会技術研究報告. PRU86. 25-32 (1986)