1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580043
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
谷本 義文 実験動物中央研究所, 血液化学部, 主任研究員部長 (10050379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 裕二 実験動物中央研究所, 毒性部, 技術研究員
海上 智 実験動物中央研究所, 薬理部, 研究員 (60158780)
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Keywords | 各種動物 / 種差 / 血小板ATP量 / SDS-PAGE / 血小板膜蛋白 / 血小板膜糖蛋白 |
Research Abstract |
1.血小板ATP量の種差:前年度購入のATPフォートメーターによる血小板ATP量の測定法に関する基礎的な検討ののち, ヒト, サル(カニクイ), イヌ(ビーグル), ウサギ(ジャパニーズホワイト)およびラット(SD)の各数例について, Triton-Xによる洗滌血小板溶解という新しい方法を用いて血小板ATP量の比較検討を行った. その結果, この方法によるヒト血小板ATP量は従来のエタノールーEDTA法に比べ1.8倍の高値を示した. このヒトにおける血小板ATP量は, ウサギの約5.2倍, 他の動物の8.1〜8.3倍であった. ウサギのATP量は他の動物に比べ約1.6倍であり, 残る3種の動物はほぼ近似した値を示した. 血小板数からみると, ヒトおよび他の動物に比べラットで著しい高値, 血小板容積からみるとヒトとイヌがほぼ同じである. これらのことを考えると, 血小板ATP量の差異は血小板内貯蔵プールの種差によるものと考えられる. 2.血小板膜蛋白の種差に関する電気泳動的解析:ヒト, サル(アカゲ), イヌ(ビーグル), ウサギ(ジャパニーズホワイト)およびラット(SD)から採取した血小板を洗滌後超音波破壊したのち超遠心による膜分離を行った. 採取した血小板膜を5%ゲルSDS-PAGE(Laemmli法)で泳動したのち, 蛋白および糖蛋白染色して血小板膜の種差を検討した. 蛋白染色では, 各動物とも約20本のバンドが認められ, 分子量18, 6.3および4.0万のバンドが共通して濃染された. ヒトとサルでは極めて類似した泳動像を示し出現した分子量10および8.5万のバンドは, 他の動物ではみられなかった. イヌ, ウサギおよびラットでのみ分子量28万バンドが濃染された. 糖蛋白染色ではヒト, サルおよびイヌが比較的類似しており, またウサギとラットが類似した易動を示し, 血小板膜構成に種差があることが明らかになった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] TANIMOTO, Y., HATTORT, Y., & SUZUKI, S.: 日本生理学会誌. 49. 533 (1987)
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[Publications] 谷本義文・服部祐二: 医学と生物学.