1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580043
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
谷本 義文 実験動物中央研究所, 血液化学部, 部長 (10050379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一戸 一晃 実験動物中央研究所, 血液化学部, 主任
鈴木 修三 実験動物中央研究所, 血液化学部, 室長 (80113439)
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Keywords | ラット / 血小板停滞 / アスピリン / シクロオキシゲナーゼ / リポオキシゲナーゼ / アラキドン酸 / TBA法 / 濃染顆粒 |
Research Abstract |
1.ラット血小板のガラスビーズ停滞率:5週齢ラットにおける血小板停滞率は、ヒトにおける文献値より軽度に高い傾向にあった。ヒトでは加齢に伴って血小板停滞率は増加するといわれているが、ラットではむしろ逆の傾向がみられた。また、アスピリン投与によって血小板停滞率は抑制されす、投与2時間後の停滞率は対照群の値に比べて有意の高値を示したことから、血小板機能とアスピリンの関連についてはなお検索すべき課題が残っていると考えられる。 2.ラットにおけるシクロオキシゲナーゼ系およびリポオキシゲナーゼ系代謝酵素活性測定の検討:ヒト血小板についての両酵素測定法をそのまま応用した場合、リポオキシゲナーゼ系代謝酵素活性の値は得られなかった。基質であるアラキドン酸を数倍の濃度にしたとき測定可能であり、シクロオキシゲナーゼは既報のアラキドン酸濃度の10分の1を用いると酵素活性は有意差のある高値を示した。したがって、ヒト用に検討された測定法を動物に応用する場合には慎重な検討が必要と考えられた。TBA法を用いて測定したラットのシクロオキシゲナーゼ系およびリポオキシゲナーゼ系代謝酵素活性は、ヒトの値に比べて極めて低値であったことからアラキドン酸代謝系における代謝産物に量的な種差があることが示唆された。 3.ウサギおよびイヌ血小板ATP放出パターンおよび電顕的微細構造の変化:前年度行った研究成果を最終的に検討したところ、両動物の血小板刺激時にみられるATP放出の種差は、血小板濃染顆粒の数および局在の相違に起因したものとの結論を得た。
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Research Products
(2 results)