1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580049
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
福山 恵一 鳥取大, 工学部, 助手 (80032283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月原 冨武 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00032277)
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Keywords | タバコネクローシスウイルス / 結晶化 / X線結晶解析 |
Research Abstract |
1.タバコネクローシスウイルス(TNV)はアカザ,ナス,マメ,ユリ科など広い範囲の植物に感染し、局部え死症状を起す。TNVは直径約28mmの粒状をしており、1本のRNAとそれをとりまく180個の蛋白サブユニットからなっている。1個のサブユニットの分子量は約3万で、これにRNAの分子量を加えるとTNVの粒子量は約700万となる。TNVの性質,挙動および他のウイルスとの構造比較によるウイルスの進化についての知見を得るために、TNVの高分解能構造解析を進めている。現在までに、TNVの精製,高分解能解析に適した結晶の調製,および予備的なX線解析を行ったので、それらについて報告する。 2.TNVの増殖にはキノアを用いた。分画遠心,ゲル口過およびショ糖密度勾配遠心を組み合わせることにより、病葉からTNVを精製した。TNV濃度約10mg/mlの溶液をpH6.0の0.4Mリン酸緩衝液に対して透析することにより、再現性よく単結晶が析出した。径が最大1mm程度まで成長した。 3.TNV結晶を石英キャピラリーに封入してX線回折写真を撮影した。プレセッション写真から、この結晶は立方晶系に属し、空間群【P4_2】32,a=338【A!゜】であることがわかった。この単位格子中にTNV粒子が2個含まれているとすると、Vm=2.9【A^(°3)】/daltonとなる。この値はウイルス結晶のVm値の下限に近く、この結晶は溶媒含量が少いことを示している。この結晶中ではTNV粒子の位置および配向は一義的に決る。粒子は(0,0,0)と(1/2,1/2,1/2)に位置し、2粒子はお互いに結晶軸まわりに90゜回転した配向をとっている。それぞれの粒子は結晶の222対称上および結晶の対角方向の3回軸上にのっている。この結晶は最大2.5【A!°】分解能の回折を与え、照射X線に対して損傷が少い。従って高分解能解析に適した結晶である。現在振動写真法による回折強度測定の準備中である。
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Research Products
(1 results)