1986 Fiscal Year Annual Research Report
電子イオン混合超イオン導電体によるラフニング転移の実験的検証
Project/Area Number |
61580052
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
大鉢 忠 同志社大, 工学部, 教授 (40066270)
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Keywords | ラフニング転移 / ファセット転移 / α-【Ag_2】S / 電子・イオン混合超イオン導電体 / 平衡形 |
Research Abstract |
ラフニング転移がファセット転移と同じ現象にもとずくことが近年明らかとなり、ファセット面積変化、消滅温度の決定よりラフニング転移を実験的に検討することを計画した。 初年度において結晶成長過程及び平衡形への過渡状態の観察系を整備し、平衡形を得る条件の確立を行った。次の3点にまとめられる。 1.テレビのCRT拡大画面で結晶外形をモニタし、コマ撮りビデオ(タイムラプスカセットレコーダー)により記録した。 2.銀原子の化学ポテンシャルを一定にする目的で、結晶面を液体硫黄が覆う条件にて平衡形の観察を行った。 3.電気炉の改良により、成長結晶を成長管の回転軸上に置くことができるようにした。 得られた結果としてまとめると次のようになる。 1.結晶表面での硫黄蒸気圧によってα-【Ag_2】S中の銀原子化学ポテンシャルが変化し、{110}{100}面のラフニング温度が異なることが明らかとなり、表面を液体硫黄で覆った条件での再現性のあるデータが得られるようになった。 2.電気炉中の温度分布の不均一が熱平衡条件成立に重要な障害となることが明らかとなり、回転軸上での結晶の回転は軸対称の結晶を得ることには適しており、炉の上下方向の温度分布を一様にする必要があると判明した。 3.温度上昇にともなうファセット面績の減少が確認できた。 4.ファセット近傍の結晶の形より、ラフニング転移に関連した理論の検証には平衡形の結晶が必要であり、対称性の良い結晶を成長させる必要がある。
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Research Products
(1 results)