1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580060
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
駒城 素子 お茶大, 家政学部, 講師 (10077480)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 利誠 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (00013152)
|
Keywords | パルミチン酸 / ウシ血清アルブミン / 吸着平衡 |
Research Abstract |
1.パルミチン酸の綿およびキュプラに対する吸着平衡におよぼす硬度成分と電解質(洗剤ビルダー)の効果を脱着法により調べた。脱着浴はメタノール50%水溶液とし、これに【Ca^(2+)】,トリポリリン酸ナトリウム(STPP),シクロペンテン無水マレイン酸共重合物(PM-Na)を添加した。繊維上および浴中のパルミチン酸は抽出、濃縮後、高速液体クロマトグラフLC-6A,クロマトパックR-C3Aを使用して定量し、得られた吸着量および溶液濃度から吸着等温線を作成した。その結果、(1)実験した30〜50℃ではいずれの温度においてもキュプラより綿の方が平衡は繊維側にあり、脂肪酸は綿の方に吸着しやすい。エンタルピー変化ΔH゜(吸着熱)は、綿では温度に依存し30〜40℃で-11Kcal・【mol^(-1)】,40〜50℃で-4.3Kcal【mol^(-1)】,キュプラでは濃度に依存し高濃度および30〜40℃で-14.8Kcal・【mol^(-1)】,低濃度側で-3.4Kcal・【mol^(-1)】である。エントロピー変化ΔS゜は、綿では-5.1cal・【mol^(-1)】【deg^(-1)】(50℃)および-26.9cal・【mol^(-1)】【deg^(-1)】(30℃),キュプラでは-3.4cal・【mol^(-1)】【deg^(-1)】(低濃度)および-32.2cal・【mol^(-1)】【deg^(-1)】(高濃度)である。(2)浴中の【Ca^(2+)】は、パルミチン酸が低濃度側では平衡を浴側に移行させる。50℃でのキュプラに対する標準親和力-Δμ゜は、O゜DH:2.71Kcal・【mol^(-1)】,5゜DH:2.46Kcal・【mol^(-1)】,10゜DH:2.27Kcal・【mol^(-1)】である。(3)浴中のNa塩は綿に対するパルミチン酸の吸着平衡を浴側に移行させる。50℃での-Δμ゜はブランク:3.57Kcal・【mol^(-1)】,0.04%STPP:3.10Kcal・【mol^(-1)】,0.04%PM-Na:2.91Kcal・【mol^(-1)】である。 2.ウシ血清アルブミンのポリアミド繊維に対する吸着を、カラムクロマトグラフィーを応用した動的平衡において調べた結果、5〜60℃間では吸着量は20℃で極小となり、温度増加とともに増加した。20℃,浴中のイオン強度を0.1とし種々のpHによる吸着量変化を調べた結果、pH5〜6で極小、pH8付近で極大を示した。今後種々の濃度で前端クロマトグラフィーを行ない、吸着等温線から熱力学的に解析する。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 駒城素子,間瀬清美: 日本家政学会誌.
-
[Publications] 駒城素子,中島利誠: 繊維学会誌.