1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580061
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
粟津原 宏子 信大, 教育学部, 助教授 (70020609)
|
Keywords | 卵黄 / グラニュール / 泡立ち性 |
Research Abstract |
1.卵黄から分離調製したグラニュールの泡立ち性を調べ、すでに明らかにした低密度リポタンパク質(LDL)の泡立ち性と比較した。 (1)グラニュールはLDLに比べて、起泡力は小さいが泡沫安定性は高い。 (2)LDLの泡立ち性に対するpHや塩(塩化ナトリウム)濃度の影響は小さいが、グラニュールはpH4以下または塩濃度0.2M以下では溶解性が悪く、そのためほとんど起泡しない。 (3)10%までの油の添加による影響は、LDL,グラニュール共小さい。 (4)LDLに少量のグラニュールを混入した場合より、グラニュールに少量のLDLを混入した場合の方が、混入による影響が大きく表われる。 (5)卵黄の泡立ち性の主体はLDLであり、グラニュールは補助的に特に安定性に関与するものと推察される。 2.卵黄(タンパク質濃度5%液)の泡立ち性に対する共存物質の影響を調べた。 (1)砂糖は起泡力を低下させるが、安定性は向上させる。 (2)ゼラチンも安定性をよくするが、3%以上の添加では起泡力の低下が著しい。しかし卵黄濃度を高めると起泡力の低下は小さくなる。 (3)牛乳(30,50%添加)は著しく泡立ち性を阻害する。 (4)油脂の添加により起泡力は低下するが、コーン油20%の添加でもかなり高い起泡力を示す。これは卵白泡との大きな相違点であり、卵黄の乳化性によるものと考えられる。安定性は増加する。バターはコーン油より起泡力を低下させる。 3.ババロアのような気泡を含有するゼラチンゼリーへの起泡剤としての利用,油脂を含んで起泡する性質の利用等について検討したが、特記すべき用途を見出すにはいたらなかった。
|