1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580063
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
竹井 瑶子 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (30017248)
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Keywords | 焙焼菓子 / スポンジケーキ / 鶏卵 / 大豆 / アミノ酸 / 脂質 / リン脂質 |
Research Abstract |
これまで、鶏卵を加えた焙焼菓子が有する甘いケーキ香発生に寄与する鶏卵成分について検討し、タンパク質とリン脂質画分が有効であるとの知見を得た。さらに詳しく検討するため、これらを、主要成分の純品に代替する事とした。卵黄タンパク質構成アミノ酸の中で、最も含有量の多いグルタミン酸、最も含有量の多い塩基性アミノ酸であるリジン、第2の塩基性アミノ酸で扱いやすく安価なアルギニンを選び、卵黄から精製レシチン(EPC)、ケファリン(EPE)、トリグリセリド(ETG)を分離、大豆粗レシチンから精製レシチン(SPC)、ケファリン(SPE)を分離し、グルコースと共に焙焼テストを行い、そのヘッドスペースベーパーをガスクロマトグラフ(GLC)により分析した。また、3種の香気濃縮物を調製し、GLC一質量分析計によりマススペクトルを得、香気成分の同定に資した。 その結果、リジンとグルコースの混合物にEPCを添加すると、甘いスポンジケーキ香を発生し、ピラジン類の増加と2、5-ジメチル-4-ヒドロキシ-3(2H)-フラノン(フラネオール)の生成が見られた。ETGの添加でもほぼ同様の傾向を示したが褐変反応速度が増加した。EPEの添加ではケーキ香はあるが魚臭が強く不快であった。SPCの添加では、安価な菓子香となりフラネオールは生成しなかった。SPEの添加では、ケーキ様の匂いとアンモニア臭が感じられたが魚臭はしなかった。アルギニンとグルコースの混合物にEPCを加えるとスポンジケーキ香が発生したが、EPE、ETGの添加では不快臭であった。グルタミン酸とグルコースの混合物へEPCを加えると、やはりスポンジケーキ香を発生したが、炭化水素が多くやや薬品臭を伴った。他にロクシンのテストも行ったが良い菓子香は生成しなかった。以上の事から、アミノ酸の活性官能基の存在と、脂質の構成脂肪酸の種類の重要性が示唆された。
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[Publications] 竹井よう子: 日本家政学会誌. 39. 99-107 (1988)
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[Publications] 竹井よう子: 日本家政学会誌. 39. 803-815 (1988)
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[Publications] 竹井よう子: 日本家政学会誌. 40. 23-34 (1989)
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[Publications] 竹井よう子: 日本家政学会誌.
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[Publications] 竹井よう子: 日本家政学会誌.
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[Publications] 竹井よう子: 日本家政学会誌.
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[Publications] 竹井よう子: 日本家政学会誌.