1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580066
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩重 博文 広島大, 教育学部, 助教授 (20034390)
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Keywords | 住居環境 / 快適性 / 室内空気 / 温度 / 湿度 / 照度 / 騒音 / 温冷感 |
Research Abstract |
住居環境の快適性を評価するにあたり、まず室内の環境に限定するならば、室内の空気・温度・湿度・微風速・照度・壁面色彩・音などの各要素について検討する必要がある。これらの要素は物理量に根ざすものであるが、人間の行う環境評価は心理量であるため両側面から考察した。 まず室内空気については、従来は嗜好として空気汚染源から除外されていた喫煙が無視できない状態にあることから、ここでは改めてその被害の実態を調査した。調査対象は広島県内の小・中・高等学校の児童・生徒約850人である。これらをほぼ4つの学年層に分けて、年齢別被害意識も調査した。これらの調査によると、調査家庭の6割程度の家に喫煙者がおり、その内で喫煙場所を決めている家は2割程度に過ぎない。また喫煙による空気汚染を防止するため(窓を開ける以上の)換気を行なう家庭は6割程度にとどまっている。低学年の児童ほど「たばこの臭気」や「空気の汚れ」を強く意識し、不快と感じており、被害の程度が大きいため、年少者のいる家での喫煙には留意しなければならない。 次に、室内実験については、健康な20才台の学生6名について返復調査した。温度は2段階(25℃,30℃)湿度60%、照度は3段階(500lx,200lx,50lx)、騒音については3つのバンドノイズ(中心周波数500Hz,1kHz,4kHz)について大小2段階の音の強さを与え外部刺激とした。湿度についても3段階程度にしたかったが、刺激数が多いため次年度の実験に回すこととした。これら36の外部刺激に対し、40対の形容詞対を作成して、7段階評価によるSD法で整理した。外部刺激要素内における快適性については、その傾向が十分つかめたが、各要素の相互関係についてはまだ未解決の部分が多い。このため、本年度は予備実験とし、この結果を鑑みて来年度の実験へ拡張する積りである。
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