1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580067
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
新垣 都代子 琉球大学, 教育学部, 教授 (60044898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花城 梨枝子 琉球大学, 教育学部, 助教授 (80128496)
玉城 隆雄 沖縄国際大学, 教養部, 教授 (50110581)
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Keywords | 沖縄婦人 / 社会構造 / 伝統文化 |
Research Abstract |
本研究では、沖縄県の全都市にまたがって1280ケースを対象として、女性の役割と行事に関する調査を行い、次の結果が得られた。 1.位牌の継承については、親世代は長男志向、子世代は性差を越えた平等意識がみられた、それに関係の深い財産相続に関しては、男女平等意識がみられたものの、実態では男性優位であった。 2.居住関係については、子世代の男性の方に女性よりも同居志向が強くみられた。また、老後における居住関係では、親子両世代とも近住志向がみられ、親世代では長男家族との同居意識が強くみられた。 3.日常生活における役割については、洗濯、掃除、子供の送迎等の役割では男性の共担がみられたが、家庭・社会参加の両面において女性中心の傾向が明らかになった。 4.統計分析による役割類型では、教育・介護型、地域活動型、家事型、無役割型がみられたが、農村のような地域差は認められなかった。 5.伝統行事及び現代行事における主な役割の担い手は女性であった。 6.慶事・法事については、意識と実態には大きなずれがあり、現実には大規模化していた。 7.行事主催のパターンは現世型、先祖型、敬老型、現代型がみられた。 8.諸行事の簡素化を妨げている要因には、地域を超えてみられる慣習、世間体への強いこだわりと、個々の家族の自己決定能力の欠如がみられ、それには性差、世代差がみられた。 9.沖縄県では、都市・農村部において冠婚葬祭社会の傾向が認められた。結論として、日常・非日常生活の中心的担い手は女性となっていた。その背景には、伝統的な制度や意識が根強く残っているのが認められた。したがって、男女両性の意識の変革と主体的な生活行動の確立が今後の重要な課題である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 新垣都代子、玉城隆雄、花城梨枝子、大城宜武: 日本生活文化史学会誌. 15. 72-85 (1989)
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[Publications] 新垣都代子他: 日本生活文化史学会誌. 15. 86-93 (1989)
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[Publications] 新垣都代子他: 日本生活文化史学会誌. (1988)
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[Publications] 新垣都代子他: 日本生活文化史学会誌. (1988)