1986 Fiscal Year Annual Research Report
非イオン界面活性剤の土壌環境中での消失に関する研究
Project/Area Number |
61580077
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
阿部 幸子 青山学院女短, その他, 教授 (80084226)
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Keywords | 非イオン界面活性剤 / 粘土への吸着 / 生分解 / 非イオン界面活性剤の定量分折 |
Research Abstract |
1.非イオン界面活性剤の分折法の検討…非イオン界面活性剤(PE系)の定量法には、コバルトチオシアネート、ヨウ化ビスマス、ピクリン酸カリウム活性物質測定、全有機炭素(TOC),HPLCなどのほか、APEでは紫外部吸収による吸光度測定などがあるが、これらのうち、粘土や土壌への吸着実験、土壌環流による生分解試験に適用できる定量法、分折条件の検討を行った。いずれの方法も土壌や粘土成分からの容出物の影響をうけるが、生分解試験にはチオシアネート活性物質(CTAS),TOC測定が応用できることが確認され、簡易化したCTAS法の測定条件を見出した。また吸着実験には、APEに対しては232nmでの吸光度測定、AEにはブランク値補正によりTOC測定が可能であることがわかった。 2.粘土鉱物に対するAPE,AEの吸着特性…バッチ法による吸着実験を行ない、残浴定量により土壌への非イオン界面活性剤の吸着特性を検討した。本年度は土壌成分のうち粘土に対する吸着性を検討することとし、カオリン、セリサイト、Ca-モンモリロナイトへのAE,APEの吸着性を調べたが 3種の粘土について類似の結果が得られ、特に比表面積大のCaモンモリロナイトへの吸着性が大であった。ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(【C_9】APEn,n=7.5〜20)では、低濃度とCMC付近とで異った吸着挙動を示し、いずれも5μmol/l以下の濃度でほぼ飽和吸着に還したのち、CMC付近の濃度で再び吸着量の増大を示す。低濃度及びCMCより高濃度での飽和吸着量は、いずれもnの増加と共に減少し、粘土への吸着は疎水性結合によるものと考えられた。また、CMC付近での吸着は、nが小さい疎水性の活性剤ほど急激な増大を示すが、この現象は、数分子が会合して吸着するためと考えられる。これらの吸着現象をさらに明確に把握するために、単一鎮長のAEについて検討を重ねている。
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