1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580080
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Research Institution | Osaka Shin-ai College |
Principal Investigator |
川端 厚子 阪信愛女短, その他, 講師 (30167358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
登倉 尋美 奈良女子大学, 家政学部, 教授 (80027490)
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Keywords | 貫頭衣 / 衣服内温度 / 衣服内湿度 / 蓄熱量 / T-シャツ |
Research Abstract |
温熱生理学の視点から暑熱環境における快適な衣生活をめざして、エジプトの民族服着用時の衣服内気候、ならびに、体温調節反応について、我々の夏服着用時のそれと比較、検討し、衣服、人体、環境系における熱の流れのメカニズムを究明した。 その方法として、5人の女子学生(21〜22歳)について、人工気候室(Ta33°c、r、h、50%)内で、陽光ランプを背面から照射して、エジプトの民族服着用時とTシャツ、ランニングパンツ(共に、綿100%)着用時について実験を行った。安静30分,運動(踏台昇降)5分,回復期20分,運動5分,回復期30分における直腸温,8ヶ所の皮膚温,衣服内温湿度(胸部、背部),局所発汗速度,体重減少量,衣服重量の変化を測定した。 その結果、踏台昇降運動中の胸部皮膚温、衣服内温湿度の低下がエジプトの民族服着用時の方が、Tシャツ着用時よりも大きく、第1回運動開始直前から実験終了までの60分間の体内熱含有量は、民族服着用時には、5.42±2.57W/【m^2】、Tシャツ着用時には、11.65±1.17W/【m^2】と民族服着用時に少ない傾向が認められた。(0.01<p<0.02) エジプトの民族服は、大きなゆとりと胸部にあるスリットによって運動時に換気を促進し、熱放散を促進させる一方、被覆面積を多くして放射熱の流入を少なくすることで蓄熱量増加を防いでいる。 さらに、同じ型の民族服について、SiLKとSiLK-LIKEPOLYESTERの素材の違いについて実験を行った。そして、SiLKの方が、吸水性、吸湿性が良いため、背部衣服内湿度が低くなり、熱放散を促進するという結果が得られた。
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