1986 Fiscal Year Annual Research Report
^<13>C-グルコース投与による外因性糖の運動代謝動態の解明
Project/Area Number |
61580091
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
伊藤 朗 筑大, 体育学部, 助教授 (80056639)
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Keywords | 糖代謝 / 【^(13)C】蕉糖 / 糖尿病連動処方 |
Research Abstract |
運動前に摂取した糖(外因性の糖)が運動中おび運動後、体内に貯蔵されている糖(内因性の糖)と、どのような割合いで利用されているかについて運動強度別に検討した。被検者は健康な男子学生5名で、Cでラベルされた糖をトレーサーとして経口摂取させ、その35分後より自転車エルゴメーターによる各種強度(100,81,66,44%VO2max)の運動負荷を行った。その結果、血糖曲線(糖摂取後30分値を100%とした変化率)は、運動終了後(糖摂取後60分)では66%VO2max強度の運動が他の強度の運動に比し最も低値を示し、その後90分において上昇が見られたほかは他の強度比し低値傾向を示した。同様にインスリン曲線も血糖曲線同様、66%VO2maxの運動が他の強度に比し低下する傾向を示した。 糖摂取後、運動中および運動後を含む3時間で消費された全糖質量は、100%,81%,66%,44%VO2maxの運動でそれぞれ、92.8±10.7g、89.6±18.2g、82.1±9.1g、82.6±10.9gであり、各運動強度間に有意な差はなかった。 また、外因性の糖の利用率は100%,81%,66%,44%VO2maxの運動でそれぞれ、8.3±3.2%,9.8±3.8%,20.8±6.9%,24.3±4.1%であり、44%および66%VO2max強度の運動は、81%および100%VO2max強度の運動に比し有意に高値を示した。しかし、44%と66%VO2max強度間および81%と100%VO2max強度間に有意な差は認められなかった。 以上のことから、66%VO2max強度の運動は血糖の低下およびインスリンの分泌減少が見られたことから、糖摂取により増加した血糖の低下に有効であり、かつ摂取された外因性の糖を利用しやすい傾向にあることが示唆された。
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