1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580104
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
和田 尚 京教大, 教育学部, 助教授 (60029733)
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Keywords | 動きのリズム / 協応動作 |
Research Abstract |
リズミカルな動きは運動を合理的に遂行するためや、学習の効率を高めるうえで必要不可欠な要因と考えられる。本研究は、動きのリズムに着目し、その測定の客観化と指導効果について調べることを目的として計画された。 本年度のねらいは、測定の客観化と個人差について明らかにすることであった。6歳児を被験者として、スキップをしながら手拍子を打つという運動課題を用い、手足の協応動作の中にみられる動きのリズムを分析しようとした。園児は60名で、室内で個別に測定した。かかとにセンサを取り付け足が着地する時間をカセットレコーダーに記録し、インターフェースを介してイベントレコーダーに書かせた。用紙の紙送りスピードは12.5mm/secとした。同時に、小型マイクロスイッチから手拍子による時間も取り入れ記録した。 これら3種の時間的関連を次の観点から分析しようと試みた。 (1)手拍子間の間隔、(2)左足,右足各々の間隔、(3)手と足の間隔、(4)右足と左足の間隔、 それぞれの時間について、その一定性を調べた結果、(4)における個人差が大きかった。動き全体の流れをみるための一つの観点として、左右の足の関連をみることの有効性が示唆された。 (1)(2)(3)についても個人差は存在するが、(4)程ではなかった。リズムは運動能力との関係で調べられることもあり、両者の関係は興味深い。本研究でも幼児の運動能力テストとの関係をみたが、顕著な相関は認められなかった。今後は、動きのリズムの発達的変化や、熟練者におけるリズムを調べることにより、リズミカルな動きの本質をさぐり、その結果をもとに、指導によるリズムの体得の有効性について調べるつもりでいる。
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