1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580104
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
和田 尚 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (60029733)
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Keywords | 動きのリズム / イメージの明瞭性 |
Research Abstract |
本研究は運動学習におけるリズムの重要性に着目し, 昨年度から実験的研究を行ってきた. 本年度はリズムの発達に注目しつつ, 学習との関連で運動リズムを調べることを目的として実験が計画された. 課題として, スキップ, ハードル走, 走り幅とび, 高鉄棒でのけ上がりの4種を用い, 各人が内面化している運動リズムを調べることにより, そのリズムの質と技能水準, イメージの明瞭性との関連性について調べた. 運動リズムの測定は試作の行動記録器を用い, イメージ中の自己運動におけるリズムのタッピングによる表出により行った. さらに4種の課題を実際に行わせ, 8mmビデオで録画した. イメージの明瞭性をみるための質問紙によるテストも同時に行った. 結果を要約すると次の通りであった. 1.再現性については, 1ケ月の間隔をおいて測定の結果, スキップとハードル走では, 運動表出時間に高い相関がみられたが, 走り幅とびでは低かった. 2.リズムの時間的側面についてみると, 全般にスキップは恒常性が高く, つづいてハードル走, 走り幅の順であった. 3.表出されたリズムと技能レベルとの関係についてみると, 例外もあったが概してハードル走に関しては, 技能水準の高い者の方がリズムに規則性がみられた. さらに技能水準の高い者の方がリズムに恒常性がみられた. この傾向はけ上がりについても同様であった. 4.イメージの明瞭性とリズムとの関係についてみると, 関連性は示唆されたものの顕著な特徴は見い出せなかった. 以上のような結果から, 各人の内面化している運動リズムの特性や, 技能水準, イメージの明瞭性との関連性がある程度明らかとなった. リズムの指導をより具体化するための基礎的知見が得られたものと考えている.
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