1986 Fiscal Year Annual Research Report
Preferred Tempoとその変容に関する研究
Project/Area Number |
61580108
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
平井 タカネ 奈良女大, 文学部, 助教授 (30107346)
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Keywords | preferred tempo / 快い速度 / 歩行 / 打鍵 / 拍手 / 運動負荷 / 光と音の速度 |
Research Abstract |
Preferred tempo、すなわち「快い速度」について歩行,打鍵,拍手の3種類の動作および視聴覚刺激(光・音)の速度を、幼児,小学生,中学生,大学生,高齢者の異年齢集団を対象に検討を行っている。第一年度に得られた研究実績は次のようである。 1.動作の快適速度 (1)歩行の快適速度は幼児,児童,生徒,高齢者のそれぞれの集団に同質性を確認した。と同時に集団間特に幼児,児童集団と高齢者には顕著な相違が認められ、加齢とともに高齢者の速度に集約される傾向を認めた。 (2)打鍵,拍手の小筋動作も歩行同様加齢とともに快い速度は遅くなる傾向にあるが、個人差が大きい傾向が認められた。 (3)どの年齢集団も歩行,打鍵,拍手の速度に相違が見られたが、高齢者集団はすべての動作速度がほぼ100/分に集約された。 (4)先行研究(三島ら)では、動作の快適速度に男女の性差は認められないとされているが、本研究において中学生集団の男女差は有意であり、この点については更に検討を加えたいと考えている。 (5)運動負荷に伴う歩行,打鍵動作の快い速度は、大学生の場合は負荷の強度に関係なく安定性が高い傾向が認められた。 2.視聴覚刺激(光・音)の快適速度 光の点滅速度および音の頻度(メトロノーム音)とともに、年齢が低いほど快いと感じる範囲は大きい。すなわち、中学生より小学生,大学生より中学生の方が刺激の速度が速くても遅くても「丁度よい」と言う幅が大きい。高齢者においては動作の速度とほぼ同様の約80/分に集約された点から、今後今少し検討考察を行うつもりである。
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