1986 Fiscal Year Annual Research Report
反復的全力運動におけるパワーの持続能力を改善するトレーニング処方の開発
Project/Area Number |
61580116
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
金久 博昭 国際武道大, 体育学部, 講師 (50161188)
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Keywords | ハイ・パワーの持続能力 / ペース配分 / 全力ペース / 一定ペース / 漸増ペース / 自転車ペダリング |
Research Abstract |
全力運動時の持久能力を高めるトレーニングとして広く行われているレペテイショントレーニングとインターバルトレーニングに注目し、それぞれのトレーニング形態を模放した自転車ペダリング作業を行わせ、その時の出力パワーおよび生体負担度について検討した。作業内容は3種類のペース配分、すなわち(1)全力ペース:作業開始から終了まで最大努力で作業を120秒間持続する,(2)一定ペース:(1)の作業時の仕事量を基準とし、その平均パワーで作業を120秒間持続する,(3)漸増ペース:(1)の作業時の発揮パワーを20秒毎6区間に平均し、最も低いパワーレベルから逆にペースを上げていく,の各ペース配分で自転車ペダリングを行った。測定項目は、作業中の総仕事量,出力パワー,酸素摂取量,酸素負債量,酸素消費量,および血中乳酸濃度の6項目であった。その結果、総仕事量は被検者によって全力ペースあるいは一定ペースで最大となり、漸増ペースが最小であった。酸素摂取量,酸素負債量,総酸素消費量および血中乳酸量は、全力ペースが他のペースに比べ有意に高い値であった。またこれらの測定項目について一定ペースと漸増ペースとを比べると、前者が酸素消費量,総酸素消費量において後者より有意に高い値であった。 以上の結果から、ハイ・パワーの持続を要求される運動において、最大のパフォーマンスを得るためには、漸増ペースより全力または一定ペースでの運動遂行がよいといえる。さらに生体負担度に関する測定結果から、無酸素性および有酸素性のエネルギー出力を高めるトレーニングの内容として、全力ペースでの反復が、一定ペースおよび漸増ペースより効果的であることが示唆される。
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