1986 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子操作によるS-アデノシルホモシスティナーゼの構造と機能の解析
Project/Area Number |
61580134
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤岡 基二 富山医薬大, 医学部, 教授 (30030000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古西 清司 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (20178289)
小川 宏文 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (30111743)
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Keywords | s-アデノシルホモシステイナーゼ / CDNA / 一次構造 / NAD結合部位 |
Research Abstract |
s-アデノシルホモシステイナーゼ(AdoHcyase)の構造と触媒作用の研究の第一歩として、ラット肝AdoHcyaseのCDNAのクローニングを行い、クローン化したCDNAの塩基配列よりアミノ酸配列を推定した。 1.AdoHcyase CDNAのクローニングおよび塩基配列 λgt11ラット肝CDNAライブラリーをアフィニティー・カラムを用いて精製した。AdoHcyaseに対する坑体を用いてスクリーニングを行い、2X【10^5】個のプラークより4個のポジティブ・クローンを得た。プラスミドpBR322を用いてサブクローニングを行い、得られた挿入CDNAの塩基配列をSanger法を用いて決定した。CDNAは24塩基の5′非翻訳部位、最初のATGよりはじまる433個のトリプレット、および706塩基の3′非翻訳部位(ポリA鎖を徐く)よりなる。ポリA鎖の上流にAATACA配列が認められ、これはポリA添加シグナルと思われる。 2.AdoHcyaseのアミノ末端ペプチドの決定および全一次構造の推定 AdoHcyaseのN末端残基はブロックされている。N末端ペプチドの単離は、ε-アミノ基をスクシニル化によって修飾した酵素のトリプシン消化物を、フェニールイソチオシアン酸処理前後で、ペプチド・マッピングにおいて同一の挙動を示すペプチドを追跡することによって行った。このペプチドのアミノ酸組成は、CDNA推定N末端ペプチドの最初のMetを徐く第一のArg残基までのそれと完全に一致した。N末端Metは翻訳後の修飾により除かれるものと思われる。推定配列は、タンパク質より決定された6個のトリプシン,ペプチド,2個のCNBrペプチド,C末端配列を含む。したがって、本酵素の全一次構造が決定されたものと考えられる。本酵素のイミノ酸配列中に、多くのNAD酵素に見られる配列が認められ(残基213-244)、この部位が補酵素NADの結合に関与することが推定される。
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Research Products
(2 results)